5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

数学の本を一日2pくらい読むスレ

1 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:00:04
一つの本を決めて、皆で一日に2pくらい読んでいくスレです

2 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:04:36
2pというのは、あまり時間が無い参加者でも比較的楽に読めるように決めました
一週間に15pくらいなので、まあこれくらいの進度なら
少し後から参加する場合でも追いつけるし時間が無い人でもなんとかなるかな、と

理想としてはゼミみたいなことが出来ればいいな、と思いますが
ただ、そうは言っても黒板に書いたり或いは口頭で発表したりするのに比べて
掲示板に投稿するのは同じことを伝えるにしてもより大変ですし、
あまり多くの内容を書けないので、全く同じ事は出来ないと思います

例えば定理の証明のこの部分が分からない、とか、あるいは他の本で
別証明を調べたり、XXは満たすけどXXは満たさない例、を作ってみたり
他の本から関連する問題を持ってきたり、
あるいは自分では答えは分からないけど、成り立つのかどうか気になる命題を書いてみたり、
とか言ったことが考えられます

3 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:06:08
wktk

4 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:14:33
読む本の候補としては、例えば

代数方面なら
松村英之「代数学」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4254114184/qid=1143904094/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/503-9736259-4720736
 (或いは堀田良之「代数入門」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785314028/qid=1143903267/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/503-9736259-4720736とか)、
Atiyah & Macdonald(面白そうですが、一寸難しいような気がします)

幾何方面なら
シンガー・ソープ「幾何学とトポロジー入門」http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4563001503/qid=1143904116/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/503-9736259-4720736
原著もSpringerから出ています

解析方面なら
E.Cartan「Elementary Theory of Analytic Functions of One or Several Complex Variables」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0486685438/qid=1143904148/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/503-9736259-4720736
スピヴァックの「多変数解析学」(良い本らしいですが、今は和訳は絶版のようです)

などはどうでしょうか
個人的に松阪さんの本はあまりやりたくないかなw

5 :1:2006/04/02(日) 00:19:02
失礼
名前入れたほうが良かったですね

明日中に候補を募集して
2006/04/02(日) 23:58:00〜2006/04/03(水) 00:00:00あたりに票決して
その次の日からさっそく始める、ということでどうでしょう?

4月はじめで、新入生の人も多いので人が集まるかな、と思って立ててみました
これまではこの種の試みは失敗している例が多いようですが、成功するように頑張りましょう

まあ、万が一人が一人も来なければ私が一人だけでもやるのであまり気にしないで下さいw

6 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:19:39
自分のペースでやるのが一番いい。
なぜ、おまえらオチこぼれ2chネラーにあわせねばならぬ?
早くキャップ付けの仕事に戻れ!

7 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:24:59
とりあえず頑張れ
しばらく様子見してみるよ

8 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:33:27
俺は2Pも進まないことがあるな。
どうしてもわからない証明があってずっと考えてたら、全然進まないなんてことはザラにある。

9 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 00:48:22
>>1
一日2ページで長い本読むのは間違いなく失敗するので、
思い切ってめっちゃ短いのにした方がいいかと。
もしもこの成功すれば二冊目行けばいいんだし。ぶっちゃけ失敗すると思うわっなにをsfbvtgvんdん
あとスピヴァックは既にスレがある(あった)。

とりあえず100ページ以下の本とか
E.Artin "Galois Theory" 86p
J.Milnor "Topology from the Differentiable Viewpoint" 76p
K.Godel "On Formally Undecidable Propositions of Principia Mathematica and Related Systems" 80p


10 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 01:04:03
堀田orシンガーorスピヴァックなら持ってるので何とか


11 :1:2006/04/02(日) 01:21:17
うーん、短い本にしたほうがいいのはそうでしょうねえ。。
そう思って200pくらいの本を選んだんですが、
確かに100p以下の非常に短い本を選んで一気に読んでしまうべきかもしれません

Milnorは面白そうですが、一寸難しそうだなあ。。
東大で以前全学ゼミでやったところ全然進まなかったらしいし

12 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 11:21:14
1日2ページは多すぎるだろ
せめて1週間1ページ程度にしないと常人にはとてもついていけない

13 :132人目の素数さん:2006/04/02(日) 22:52:58
Artinならやってもいいお

14 :132人目の素数さん:2006/04/03(月) 00:02:26
応援age

誰でも参加できるように、ネット上にうpされてるものを取り上げてくれると嬉しい。
そんな都合のいいものがあるのか知らないけど。

15 :1:2006/04/03(月) 17:41:10
すいません、昨日は一寸寝ちゃって。。(汗

一日2pは若しかしたらちょっと多すぎるかもしれませんが
それにしても週1ページはさすがに遅すぎるのではないかと、、
"Topology from the Differentiable Viewpoint"読むのに1年半、
"トポロジーと幾何学入門"とかだと5年以上とかかかりますし。。

少なくとも一日1p、週5pくらいは進まないと読み終わらないと思います

16 :1:2006/04/03(月) 18:14:42
Godelの"On Formally Undecidable Propositions of Principia Mathematica and Related Systems"
は確かに古典としては価値があるかもしれませんが、これよりは
"What Is Mathematical Logic?"John N. Crossley
のほうが為になる気がします?

しかし 100p以下の数学の本ってやっぱりあまり無いですねえ。。

オンラインの講義ノートは
ttp://www.math.fsu.edu/Virtual/のOnline Books
ttp://www.damtp.cam.ac.uk/user/studrep/res/notes.html
とかにリンクされてるページがそうだと思います
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1021255236/
なんかにもいくらか紹介されていますね
確かに誰にでもavailableで良いと思うんですが
中々良いのが無いような感じがします

もっと探せば見つかるのかも知れないけど。。

17 :1:2006/04/03(月) 18:27:17
今思いついたんですけど、
竹内端三の函數論とかを少しずつ掲示板にうpしていうという方法はあるかもしれません
寺沢寛一の数学概論とかも、本当は著作権は切れてるはずなんだけど
これは岩波からまだ出てるからなあ。。

著作権切れの本をうpするのも、どうしても選択肢が限られてしまいますね

18 :132人目の素数さん:2006/04/04(火) 00:17:26
↓こういうのやったらどう思うよ?
http://www.uploda.org/uporg355589.ps.html

#著作権切れは2012年なんだが。

19 :132人目の素数さん:2006/04/04(火) 00:22:16
数学の風景シリーズってどう?2ページずつでなくてもいいけど。マニアック過ぎ?

20 :1:2006/04/05(水) 20:11:22
色々考えましたがやっぱり長いのは失敗しそうなので
ArtinかMilnorでもやろうか、と思いますがどうでしょうか

もしMilnorをやる場合参加者はどれくらい居るのかなあ。。
Milnorは日本語訳で良ければArtinより本は手に入りやすそうですが
でも大学生協とかが近くにあれば、手軽に変えるのは
Artin(\800くらい)なんですよねえ。。

うーむ

21 :13:2006/04/06(木) 01:17:39
これから読むつもりだったからArtinに期待age

22 :132人目の素数さん:2006/04/06(木) 01:39:05
>>17
>竹内端三の函數論

どうせなら竹内端三の『楕圓凾數論』がいい。

23 :132人目の素数さん:2006/04/06(木) 04:32:15
1日2ページはいくらなんでも少なすぎでは

24 :1:2006/04/06(木) 21:37:30
一寸少ないかと思ったんですが
あまり時間をさかなくても出来て(他にも勉強することあるのが普通でしょうし)、
多少サボってても追いつけるにはこれくらいを限度にするのがいいかな、と

ArtinとかMilnorだと、2p/dayでも一ヶ月もあれば終わりますし

25 :1:2006/04/07(金) 21:15:29
じゃあ来週の月曜あたりからArtin"Galois Theory"やりましょうか

1p.から初めて2頁/日くらいで
(この本でこのペースは少々少なすぎるかもしれませんが…)

>>18
あれれ、、
どっかであの本は解析概論より古い、と書いてあるのを
見たことがあったので、それでそういう先入観が出来ちゃったのかもしれません…

失礼

26 :13:2006/04/08(土) 00:29:03
線型代数の復習だけで終わりたくは無いのう...
実は高校生なんで(行事盛り沢山で)こんなことやってる場合じゃないんですけど、
少しは来れるようにがんばりますわ。


27 :132人目の素数さん:2006/04/08(土) 02:55:07
net上に原文はないの?
それはつらいよ。

28 :1:2006/04/08(土) 15:20:03
Web上に良い講義ノートが転がっていればいいんですが。。

29 :132人目の素数さん:2006/04/08(土) 23:20:35
amazon.co.jpで24時間以内に発送 \872

30 :1 ◆ulr7TWudvE :2006/04/11(火) 04:28:46
夜遅くですがこんばんは
今日あたりから始めようかな、と。。

日本語版は使えるけど英語版は手元に無い人も
いらっしゃるかもしれませんので目次のページ数載せておきます

もし休みなく進めばIIまで一月ほどで終わる、、はずです

31 :1:2006/04/11(火) 04:29:18
(*の付いているのは初版から付け加えられた節である)

I 線型代数
A. 体 1
B. 線型空間 1
C. 斉次(連立)一次方程式 2
D. ベクトルの独立と従属 4
E. 非斉次(連立)一次方程式 9
F.* 行列式 11
II 体論
A. 体の拡大 21
B. 多項式 21
C. 代数的元 22
D. 分解体 25
E. 多項式の既約因子への一意な分解 30
F. 群指標 34
G.* 定理13の応用と例 38
H. 正規拡大 41
I. 有限体 49
J. 1の冪根 56
K. Noether方程式 57
L. Kummer体 59
M. 単純拡大 64
N. 標準基底の存在 66
O. 自然な無理性に関する定理(?) 67
III 応用(by A.N.Milgram)
A. 可解群 69
B. 置換群 70
C. 冪根による解法 72
D. n次の一般的な方程式 74
E. 素数次の解ける方程式 76
F. 定規とコンパスによる作図 80

32 :132人目の素数さん:2006/04/11(火) 04:46:18
>>30
線形代数の章は飛ばしてもいいんじゃない?

33 :1:2006/04/11(火) 04:50:04
訳語は結構適当なので間違っているかもしれません

さて、
2p/日なので最初は1p〜2pですが特に大したことはなくて
A.で体、B.でベクトル空間、C.の最初で斉次の連立方程式の定義がしてあるだけです

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%93_(%E6%95%B0%E5%AD%A6)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E7%A9%BA%E9%96%93

ただし、この本では単に体と言ったときに
0≠1、乗法の可換性を仮定しません
乗法が可換でない体(多元体とか加除環とか斜体は全部同じ意味だそうです)の例としては
(まだ出てきてませんが)行列式が0でないような2次行列の集合とかがそうです
同工異曲ですが、四元数の集合とかがあります
ほかになんか良い例ありますかね

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E5%85%83%E6%95%B0

当然以後線型空間を考える際にも、乗法が可換でないことを
考慮しなければいけないということになります
(乗法の可換性を仮定しないメリットって何かあるのかな?)

34 :1:2006/04/11(火) 04:54:25
>>32
飛ばしたほうが良いですかね?

恐らくF.行列式の10ページ分くらいは飛ばしてもあまり問題ないのかな、と思いますけど

線型代数の勉強するときに、乗法の順番に気をつけて
勉強してなかったので一寸不安ですが、うーむ

35 :132人目の素数さん:2006/04/11(火) 05:34:37
>>34
進めていくうちで分からなくなったら、適宜参照するぐらいでいいと思う。
でも1さんが不安なら、やってもいいと思う。お任せします。

36 :1:2006/04/13(木) 07:24:32
すいませんまた間が空きました
今晩(4/13)くらいから始めましょうか

線型代数飛ばしてII Aからやりましょうか

ただ、もし万が一斜体上の線型代数を意識することが必要になった場合は
(まあまず無いと思いますが)戻るという選択肢もあって良いですよね
多分大丈夫だと思いますが

37 :132人目の素数さん:2006/04/14(金) 22:51:30
   ∧∧
  (  ・ω・)
  _| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/

38 : ◆ulr7TWudvE :2006/04/14(金) 23:01:23
あ、ごめんなさい
昨日は寝てしまって。。w

ちょっと今酔ってるので酔いが醒めたら。。

39 :1 ◆ulr7TWudvE :2006/04/16(日) 01:46:40
すいません、最近忙しくて。。
月曜からさらに忙しそうですが。。orz

ええと、21p、22pからはじめるんでしたね
線型代数の部分に関しては、11pにこれからの章では
斉次方程式に対する定理 I の結果と線型独立の概念のみがわかっていればよい、
とか書いてあるので多分問題ないと思います

21pと22pは、体の拡大の説明と拡大次数の定義、
F⊆B⊆Eのときに(E/F)=(B/F)(E/B)が成り立つことの証明ですね

40 :1:2006/04/16(日) 02:02:27
図書館で日本語版(原著1版の邦訳)借りてきました
訳者の寺田先生が演習問題付けてくれてるので
パクって転載しようかなとw

しかし、どうやら体論のはじめに
以下で扱う体は可換体であると仮定する.
とか書いてあって、個人的に妙に気になりますね
原著2版では可換だとは特に仮定していないようですが、、

問題 1-1 √2、√3、√6は有理数体に属さないことを示せ.
問題 1-2 Qを有理数体とするとき
    Q(√2) = {a + b√2 ; a, b∈Q}、(Q(√2)/Q) = 2
  を証明せよ.
問題 1-3 ωを1の立方根(-1 + √3i)/2とするときQ(ω) = Q(√3i)を示せ.
  (Q(ω)/Q)はいくらか.
問題 1-4 Qを有理数体とするとき(Q(√2, √3)/Q)を求めよ
問題 1-5 K⊆B⊆Eを3つの有限次元拡大体の列とするとき次を証明せよ.
(1) (B/K) = 1 ⇔ B = K
(2) (E/K) = (E/B) ⇔ B = K
(3) (B/K) = (E/K) ⇔ E = B
問題 1-6 (E_1/K) = p、(E_2/K)= qでp、qが素数ならばE_1 = E_2または
  E_1∩E_2 = Kであることを示せ.

41 :132人目の素数さん:2006/04/23(日) 21:16:47

  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/

42 :132人目の素数さん:2006/05/13(土) 20:56:47
181

43 :132人目の素数さん:2006/05/26(金) 14:25:34
397

44 :132人目の素数さん:2006/05/29(月) 13:24:55
過疎ってるね。1は順調に進んでるんですかねー。
簡単な演習問題をどぞー
問題1 [F(α):F]が奇数ならF(α)=F(α^2)であることを示せ。
問題2 K∩L=Fであるが[KL:F]=[K:F][L:F]とはならない
     有限次拡大の例を作れ。
問題3 p_1,・・・,P_2を相異なる素数とするとき
     [Q(√p_1,・・・,√p_n):Q]を計算せよ。

45 :132人目の素数さん:2006/06/06(火) 03:37:08
age

46 :132人目の素数さん:2006/06/13(火) 00:23:46
こんなとこにもkingはくるのかな

47 :GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w :2006/06/13(火) 09:45:42
talk:>>46 私を呼んだだろう?

48 :132人目の素数さん:2006/06/13(火) 17:05:41
>>47
すごいね
どうやってkingって見つけてるの?何かツールとか使ってる?

49 :GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w :2006/06/13(火) 17:39:25
talk:>>48 Jane Doe Style.

50 :132人目の素数さん:2006/06/13(火) 19:07:01
>>49
king
もしかして数学版全部のスレ開いてるの?

51 :132人目の素数さん:2006/06/13(火) 19:35:28
たぶんね。
ためしにdat落ち寸前の過疎スレにsageでkingって打ってみな。
俺はやらないけど。

52 :GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w :2006/06/13(火) 21:48:44
talk:>>50 私を呼んだだろう?
talk:>>51 何考えてんだよ?

53 :132人目の素数さん:2006/06/14(水) 09:24:03
>>52
お呼びじゃない!
(サゲは任せた!!)

54 :132人目の素数さん:2006/06/16(金) 02:29:39
349

55 :132人目の素数さん:2006/06/16(金) 03:57:51
kingもStyleかよ
うへっ

56 :GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w :2006/06/16(金) 07:38:30
talk:>>55 私を呼んでないか?

57 :132人目の素数さん:2006/06/16(金) 11:05:33
ムシキング

58 :132人目の素数さん:2006/06/16(金) 11:40:59
こんなスレがあったんだ。
1は来ないみたいだけど、勝手に乗っ取ってもいい?
おれもへたれるかもしれんがね。
名前が出てる本で、アルティンとミルナーなら図書館で調達できそうだがどっちがいい?
それとも他にいい本ある?
>>19の数学の風景って何?

59 :GiantLeaves ◆6fN.Sojv5w :2006/06/16(金) 16:11:06
talk:>>57 私を呼んでないか?

60 :58:2006/06/17(土) 02:10:49
あげますよ。

全然反応ないな。
1の遺志をついでアルティンやってみるかな。
過去レス読んだら1は1章を飛ばすといって2章初めてすぐ終わってたんだね。
2章から仕切り直しが妥当かな。
平日2pの週10pくらいを目標で。
週明けの月曜日に覚えてたら始めます。
ちなみにおれがもってるのは寺田の和訳のほう。

61 :58:2006/06/17(土) 02:11:40
まちがった。age

62 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/17(土) 02:16:04
てst

63 :132人目の素数さん:2006/06/17(土) 04:46:15
杉浦光夫「解析入門」
斎藤正彦「線型代数入門」

なら参加したいなーなんて

64 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:00:33
杉浦や斎藤はここでやるには厚すぎるかなと。

で、アルティンのガロア理論。
>>31に目次があるけど、和訳のほうは問題がついてる分ページも多くなってる。
でも第2章は偶然同じp.21から。

第2章 体論
1. 拡大体

体K,EがK⊂EであるときKをEの部分体、EをKの拡大体という。
Kに含まれない元αに対し、αを含むKの最小の拡大体をK(α)であらわす。
実際にはαのK係数多項式とその商の集合。
同様にK(α,β,...)も定義できる。

65 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:07:37
K⊂EのときEはK上のベクトル空間とみなすことができる。
(和はEの和、スカラー倍はKの元倍)
その次元をEのK上の次数といい(E/K)であらわす。

定理6
K⊂B⊂Eのとき(E/K)=(B/K)(E/B)


K⊂K_1⊂K_2⊂...⊂K_nなら(K_n/K)=(K_1/K)(K_2/K_1)...(K_n/K_{n-1})

証明は、EのB上の基底を{α_i}、BのK上の基底を{β_j}とおけば
EのK上の基底が{α_iβ_j}であらわされることから。

66 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:12:28
で、>>40の問題がある。

1-1はよくある議論。
1-2は√2の多項式がa+b√2で表され、商も分母の有理化によって同様の形に変形できることから証明できる。

67 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:22:14
1-3:ω∈Q(√3i)よりQ(ω)⊂Q(√3i)、√3i=2ω+1∈Q(ω)よりQ(√3i)⊂Q(ω)
1-2より(Q(ω)/Q)=2
1-4:Q(√2,√3)={a+b√2+c√3+d√6}より4
1-5:(1)1次元ベクトル空間はスカラー体だから自明。
(2)(3)は(1)と定理6より導かれる。

68 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:33:04
1-3:ω∈Q(√3i)よりQ(ω)⊂Q(√3i)、√3i=2ω+1∈Q(ω)よりQ(√3i)⊂Q(ω)
1-2より(Q(ω)/Q)=2
1-4:Q(√2,√3)={a+b√2+c√3+d√6}より4
1-5:(1)1次元ベクトル空間はスカラー体だから自明。
(2)(3)は(1)と定理6より導かれる。
1-6:K ⊂ E_1∩E_2 ⊂ E_1よりp=(E_1/K)=(E_1/E_1∩E_2)(E_1∩E_2/K)
pは素数だから(E_1/E_1∩E_2)=1または(E_1∩E_2/K)=1。
後者ならE_1∩E_2=Kでおk、前者のときE_1=E_1∩E_2だからE_1⊂E_2、また(E_1∩E_2/K)≠1
E_2について同様の議論をするとE_1⊂E_2。

69 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 17:35:05
毎日こんなことやってたらきついな。
三日坊主になるかもしれん。

初日なのでage

70 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/19(月) 20:13:55
>>44の問題が簡単に見えないんだが・・・
問題3は√(p_1^e_1 p_2^e_2 ... p_n^e_n), e_i=0 or 1の形の元が基底をなすから2^nかな。

71 :132人目の素数さん:2006/06/19(月) 20:53:04

一日に2pくらい読んでいく なんて、

暇人でないと できないよね。

お前らには、じゅうぶん できるだろ。

ただ読むだけならね。

理解したかは、別だけど。


72 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/20(火) 17:34:04
さてと。今日はp.23-24(和訳本による)。

2. 多項式

K係数の多項式を考える。
a_iがKの要素でa_0≠0のときf(x)=a_0x^n+a_1x^{n-1}+...+a_nの次数deg f(x)=nとする。
0でないKの元の次数は0、deg 0=-∞とする。

f(x)=g(x)h(x)でdeg g, deg h>0のときf(x)は可約であるといい、
定数でなく可約でない多項式を既約であるという。

多項式の除法は高校で習うやつと同様。
f(x)=q(x)g(x)+r(x)で、deg g > deg rとなるq, rが一意に決まる。
rをgを法としたfの剰余という。

73 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/20(火) 17:44:12
補題 f(x)をK内のn次既約多項式とする。
このとき次数がnより小さい0でない多項式g(x), h(x)でg(x)h(x)がf(x)で割り切れるものは存在しない。

証明:背理法、そのようなg, hが存在したとし、その中でg,hの次数が最小になるものをとる。
k(x)f(x)=g(x)h(x)なるk(x)が取れる。
fは既約だからf(x)=q(x)g(x)+r(x)とするとr(x)≠0。
h(x)をかけて移項すると(以下(x)を省略)、rh=fh-qgh=fh-qkf=f(h-qk)
よってr(x), h(x)も条件を満たす多項式の組だが、deg r < deg gよりgのとり方に矛盾。

74 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/20(火) 17:50:18
実数係数の多項式は実数根をもつとは限らないが、複素数に体を拡大すると必ず根をもつ。
これが代数学の基本定理。
さらに、拡大体である複素数の範囲で任意の多項式は1次式の積に一意的に因数分解される。
任意の体に対して同じような拡大体の存在を保証するのが後に出てくるクロネッカーの定理だそうだ。

ここまででほぼ2ページ。このあと問題が続くけどまたあした。

75 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/20(火) 17:55:01
>>44の問題2を考えてみた。
{α_i}がKの基底、{β_j}がLの基底なのに{α_iβ_j}が一次独立にならないようなもんを考えればいいんだろうな。
有理数にいくつか無理数くっつけて試してみたけどうまくいかない。
もうちょっと考えてみる。

76 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/20(火) 18:00:09
age

77 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:01:44
こんにちは。今日はp.25、2節の問題からです。

問題2-1
K内の2つの多項式f(x), g(x)≠0に対して
f(x) = q(x)g(x) + r(x), deg r<deg g
となるq(x), r(x)が一意に定まることをf(x)の次数についての帰納法で示せ。

次数についての帰納法で示せばいいので省略。

78 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:05:55
問題2-2
体Z_7={0,1,2,3,4,5,6}において次の各方程式を満足する要素を求めよ。
(1) 3X=4
(2) X^2+X+1=0
(3) X^2-3=0

解:(1) X=3^{-1}4=6
(2)左辺を平方完成するらしい。
(左辺)=(X+2^{-1})^2-(2^{-1})^2+1=(x+4)^2-1
2乗して1になる元は1,6よってX=2,4
(3)2乗して3になる元はないので解無し。

79 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:14:12
問題2-3
整数係数のxの多項式全体をZ[x]とする。
f(x)がaで割り切れることをa|f(x)で表す。
素数pに対しp|g(x)h(x)ならばp|g(x)またはp|h(x)であることを示せ。

解:背理法による。
成り立たなかったとしてg(x)=b_0+b_1x+..., h(x)=c_0+c_1x+...とおくと、
pで割り切れない最初の係数b_iとc_jが取れる。
x^{i+j}の係数は
b_0c_{i+j}+b_1c_{i+j-1}+...+b_{i+j}c_0
であり、b_ic_j以外の項はすべてpで割り切れるのに、b_ic_jのみ割り切れない。
よってg(x)h(x)もpで割り切れない。
背理法じゃなくて対偶を示してた。

80 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:49:41
問題2-4
f(x)∈Z[x]が有理数係数の多項式g(x),h(x)の積に分解されるならば、
実はZ[x]の2つの元の積にも分解できることを示せ。
また特にf(x)の最高次係数が1ならば分解する多項式の最高次係数も1であることを示せ。

解:f(x)=g(x)h(x), g(x),h(x)∈Q[x]であるとする。
係数の分母の最小公倍数をa,bとすると、g(x)=ag0(x), h(x)=bh0(x), g0(x),h0(x)∈Z[x]と書き直せる。
よってf(x)=(1/ab)g0(x)h0(x)だが、左辺はZ[x]の元なのでab|g0(x)h0(x)。
abの各素因数p_iに2-3を適用するとp_i|g0(x)またはp_i|h0(x)となる。
よって最終的にg0(x)h0(x)=k ab g1(x)h1(x), g1(x),h1(x)∈Z[x]となるので、
f(x)=kg1(x) h1(x)で題意は示された。
最高次係数が1の場合は明らか。

81 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:55:22
問題2-5
次の多項式は有理数体Q上既約であることを示せ。
(1) x^5-x-1
(2) x^4+8

解:2-4よりZ上既約であることを示せばよい。
1次の因数をもつ場合、2次の因数をもつ場合を考えて係数を適当におき、
多項式に適当な値を代入して連立方程式の解がないことを示せばよい。
面倒くさいことになりそうなので詳細はパス。

82 :132人目の素数さん:2006/06/21(水) 18:56:59
痛々しいスレですね

83 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 18:59:53
問題2-6
f(x)=x^5-ax-1がQ上可約となるように整数aを定めよ。

解:これもZ上で考えればよい。
1次の因数をもつ場合、定数項からx+1またはx-1であるから、
f(1)=0またはf(-1)=0で、a=0,2。
2次の因数をもつ場合、f(x)=(x^2+bx+c)(x^3+dx^2+ex+f)とおいて係数を比較して以下略

84 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/21(水) 19:07:51
問題2-7
pは素数、a_0,...,a_nは整数で、
(1)p|a_nでない (2)p|a_i (i=0,...,n-1) (3) p^2|a_0でない
のときf(x)=a_0+a_1x+...+a_nx^nはQ上既約であることを示せ。

問題2-8
前問を用いて、次の多項式がQ上既約であることを示せ。
(1) x^3-3
(2) x^4-8x^2+2
(3) x^4+x^3+x^2+x+1

解:2-7で(1)p=3の場合(2)p=2の場合

問題とき終わらなかったけど今日はこのへんで。

85 :132人目の素数さん:2006/06/22(木) 00:35:44
>>84
(3)もアイゼンシュタイン使えるだろ。

86 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 16:58:26
>>85
どうも。
f(x)=x^4+x^3+x^2+x+1=(x^5-1)/(x-1)
g(y)=f(y+1)=((y+1)^5-1)/y=y^4+5y^3+10y^2+10y+5
2-7をp=5の時に適用してg(y)は既約。よってf(x)も既約。

正直言って解答見なきゃこんな変形思いつかなかったよ・・・orz
pが素数ならばp|pCkだから同じ論法で
x^{p-1}+x^{p-2}+...+x+1も既約がいえそうだ。
そうでないときは、x^{n-1}+...+1でn=kmとすればx^{m-1}+...+1で割り切れて可約。

87 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 17:04:34
さて、p.25いちばん下から

3. 代数的要素

K⊂Eを体とする。
α∈Eを根にもつK係数多項式が存在するとき、αはK上代数的であるという。
αが代数的のとき、αを根に持つK係数多項式の中で最低次数のものを選び、
Kの要素をかけて最高次係数を1にしたものをf(x)で表す。
このとき次が成り立つ:

1. g(x)がg(α)=0を満たすならばg(x)はf(x)で割り切れる。
2. f(x)はK上既約。
3. f(x)は一意的に定まる。

88 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 17:12:12
証明:1.g(α)=0となるg(x)が存在するとし、
g(x)=f(x)q(x)+r(x)とかくと、g(α)=f(α)=0よりr(α)=0、deg r<deg f。
fは最低次数のものだったからr(x)=0
1.⇒3.がすぐにいえる。
2.f(x)=g(x)h(x)とすると、f(α)=0よりg(α)=0またはh(α)=0。
これもfが最低次数であることに矛盾。

89 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 17:24:57
Eの部分集合で、θ=g(α)=c_0+c_1α+...+c_{n-1}α^{n-1}の形の要素からなるものをE_0とする。
ここでg(x)はKの多項式でn=deg fより低次なもの。
E_0は加法、乗法で閉じており、後者はn次より小さいg(x),h(x)に対し
g(x)h(x)=f(x)q(x)+r(x)とするとg(α)h(α)=r(α), deg r<nであることから分かる。
またθに対しc_0,...,c_{n-1}は一意的に決まる。
なぜなら、異なる表示があるとしたら差をとることによってnより低次の多項式がαを根に持つから。

90 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 17:37:52
実はE_0は体であり、K(α)に一致することがこれから証明される。
そのときK(α)は1,α,α^2,...,α^{n-1}で生成されるので、(K(α)/K)=nを得る。

そのことを示すために、まず拡大体Eと要素αを使わずにE_0と同じものを作る。
K内の既約多項式f(x)=x^n+a_{n-1}x^{n-1}+...+a_0が与えられたとする。
ξを一つの記号とし、次数がnより小さいξの多項式g(ξ)=c_0+c_1ξ+...+c_{n-1}ξ^{n-1}
全体の集合をE_1とすると、E_1は加群をなす。

91 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/22(木) 17:44:40
ここでE_1に新しい積g(ξ)×h(ξ)を通常の積g(ξ)h(ξ)のf(ξ)を法とした剰余r(ξ)として定義する。
するとg_1(ξ)×g_2(ξ)×...×g_m(ξ)はg_1(ξ)g_2(ξ)...g_m(ξ)の剰余に一致するので、新しい積も結合法則、交換法則、分配法則を満たすことが示される。
しかもE_1はKを含み、K内で新しい乗法と通常の乗法は一致。
よって以下は新しい積も通常の積と同じ記号で書く。

と、今日はここまで。p.28の中程。

92 :132人目の素数さん:2006/06/23(金) 12:38:01
>>58
乙。

テキストは明倫間に在庫があるようです。
http://www.meirinkanshoten.com/book.asp?id=373702

93 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/23(金) 17:18:11
>>92情報thx
手元の本で定価1860円、品切れであることを考えると1400円は妥当かな。
Dover版がamazonで859円
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0486623424/qid=1151050067/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/503-4378423-4895959
もあるけど版が違うようで、序文によれば和訳は'59年ドイツ語訳のために加筆修正したものの翻訳。

>>31の目次と比べると、
> I. 有限体 49
の代わりに「9. 代数的分離拡大体」「10. アーベル群とその応用」がはいり、
> M. 単純拡大 64
がなくて
> O. 自然な無理性に関する定理(?) 67
は「15. 推進定理」となってる(同じもの?)

第3章の応用は全面的に書き換えたようで、
1. 群論からの追加
2. 方程式のベキ根による可解性
3. 方程式のガロア群
4. コンパスと定規による作図
となった。

そのほか和訳には訳者が問題と解答、各節の冒頭に概要を付けているので勉強しやすくなってる。

94 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/23(金) 17:31:30
さて、昨日もう一言付け加えるべきだったが、新しい乗法で
ξ^n=ξ^{n-1}×ξ=-a_{n-1}ξ^{n-1}-...-a_1ξ-a_0
となるので、f(ξ)=0がE_1内で成り立つことが分かる。
よってE_1は加法と乗法をもち、E_0と同様の性質を持つこといえる。
以下は新しい積も通常の積と同じ記号で書く。

95 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/23(金) 17:46:08
で、p.29くらいから。

E_1が体であることを示すためには、逆元の存在をいえばよい。
E_1の2つの元g(ξ)≠0とh(ξ)が与えられたときにg(ξ)X(ξ)=h(ξ)となるE_1の要素
X(ξ)=x_0+x_1ξ+...+x_{n-1}ξ^{n-1}の存在を示そう。
g(ξ)X(ξ)を計算し、関係式f(ξ)=0を使って次数下げすると、L_0+L_1ξ+...+L_{n-1}ξ^{n-1}、
ただしL_iはK係数のx_0,...,x_{n-1}の一次結合としてかける。
h(ξ)の係数をb_iとおけばn未知数(x_0,...,x_{n-1})連立方程式
L_0=b_0, ..., L_{n-1}=b_{n-1}
をえる。一般にAx=bが唯一解をもつのはAx=0が自明解しかもたないのと同値なので、
L_0=0, ... , L_{n-1}=0
が自明解しかもたないことを示せばよい。
これに対応する式はg(ξ)X(ξ)=0であり、E_1における積の定義からこれは左辺がf(ξ)で割り切れることを意味するが、
>>73の補題よりX(ξ)=0でないと成り立たない。
よってE_1が体であることが示された。

96 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/23(金) 18:05:56
さて、E_1は>>89で定義したE_0と全く同じ構造をもつ。
すなわちg(ξ)にg(α)対応させると全単射であり、和の像は像の和、積の像は像の積に等しくなる。

一般に体の間の写像σ:K→K'で以下を満たすものをKからK'への中への同型写像と呼ぶ:
1. σ(α+β)=σ(α)+σ(β)
2. σ(αβ)=σ(α)σ(β)
3. α≠0⇒σ(α)≠0
(これって単射準同型だと思うけど、一般的な用語なのかな?)
このときσ(K)はK'の部分体になる。

さらにσが全射のとき上への同型写像といい、そのような写像が存在するときKとK'は同型であるという。
とくにK=K'の場合は自己同型写像という。

KからK'への上への同型写像が存在するとき、K係数多項式を自然にK'係数多項式に対応させることができる。
この対応で既約多項式は既約多項式にうつる。

97 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/23(金) 18:12:20
最後に、

定理7. (クロネッカー)
f(x)を体Kにおける定数でない多項式とするときKの拡大体Eでf(x)が
その中に根をもつものが存在する。

証明:
f(x)の1つの既約因子をとり、これで上のように拡大体E_1を構成すればよい。

以上、すぐ次に定理8.もあるけど今日はここまで。p.31の3/4くらい。
土日は休みということにしてまずは一週間続いた。
はたして来週再開するんだろうか・・・

98 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/26(月) 20:03:28
あらら、週末もレスつかなかったか。
ま、中途半端に終わってたのでいちおう続き。
p.31クロネッカーの定理の直後から。

既約多項式の根により拡大体を構成してきたのだが、
その構成が根の取り方によらないというのが次の定理。

定理8.
σを体Kから体K'への上への同型写像とする。
f(x)をK内の既約多項式とし、その像をf'(x)で表す。
f(α)=0を満たすαによる拡大体をE=K(α)とし、f'(α')=0を満たすα'による
拡大体をE'=K'(α')とする。
するとσはαの像がα'であるようなEからE'の上への同型写像に拡張される。

証明は、全単射になることは明らか、和の像が像の和、積の像が像の積になる
こともほぼ明らかなのでOK

99 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/26(月) 20:11:03
ここで3節終わり、問題がある。

問題3-1
K⊂EのときEの要素αがα^2+kα+l=0 (k,l∈K)を満たすための必要十分条件は
(K(α)/K)=1または(K(α)/K)=2であることを示せ。

解:α∈K⇔(K(α)/K)=1は明らかなので、αがKの元でないと仮定する。
するとα^2+kα+lは既約多項式なのでα^2+kα+l=0⇔(K(α)/K)=2

100 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/26(月) 20:22:08
問題3-2
次のQ(α)はQ上何次の体か。
(1) α^3=1, α≠1
(2) α^3=2
(3) α^4+α^2+1=0

解:(1) α^2+α+1=0, 2次
(2) α^3-2は問題2-7(アイゼンシュタインの既約性判定)より既約、3次
(3) α^4+α^2+1=(α^2+1)^2-α^2=(α^2+α+1)(α^2-α+1), 2次

問題3-3
αがf(x)=x^3-x-2=0の根のとき、(Q(α)/Q)=3を示し、次の値をαの2次以下の多項式で表せ。
(1) α^5
(2) 1/(α+1)

解:±1, ±2を代入してもfは0にならないので1次の因子をもたず、fは既約。
(1) 次数下げして2α^2+α+2
(2) α+1にかけて1になる2次以下の多項式、(1/2)α^2-(1/2)α

101 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/26(月) 20:29:44
問題3-4
K⊂E, αがK上代数的, (K(α)/K)=2, E∩K(α)=K ⇒ (E(α)/E)=2

解:あるK係数多項式α^2+kα+l=0 (k,l∈K)がKで既約。
これがEで1次の因子をもつときα∈Eだが、E∩K(α)=Kに反する。
よってE内でも既約、結論を得る。

102 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/26(月) 20:31:19
あと3問あるが時間がない。
中途半端で気持ち悪いけどまたあした。

103 :132人目の素数さん:2006/06/26(月) 21:23:26

俺がいつかこの本を手にしたときに役立つかもしれん

104 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/27(火) 20:13:02
>>103
ども。
ちらほらレスがつくってことはROMッてる人も少しはいるのかな。
さて、問題演習の続き。

問題3-5
Kの相異なるn個の元a_1,a_2,...,a_nとn個の元b_1,b_2,...,b_n(等しいものがあってもよい)がある。
このときf(a_i)=b_i, i=1,...,nとなるn-1次多項式
f(x)=c_0+c_1x+...+c_{n-1}x^{n-1}
が存在することを示せ。

解:条件よりc_0+c_1a_i+...+c_{n-1}a_i^{n-1}=b_i, i=1,...,n
をc_iの連立方程式として解けばよい。
>>95と同じ論法でf(a_i)=0, i=1,...,nが自明解しかもたないことを示せばよい。
ところがfはn-1次多項式、相異なるn元で0になるということはf=0

問題3-6
K,K'はともにQの拡大体、σ:K→K'同型写像とするとき、a∈Q⇒σ(a)=aを示せ。

解:同型よりσ(1)=1。
よってσ(1+1+...+1)=σ(n)=n、σ(1/m)=1/mなどが分かって結論を得る。

105 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/27(火) 20:18:37
言葉が足りなかったが、3-6はQの自己同型は恒等写像しかないことを示した。

問題3-7
実数体Rの自己同型写像をσとするとき次を順に証明せよ。
(1) α>0⇒σ(α)>0, α>β⇒σ(α)>σ(β)
(2) σは恒等写像である。

解:(1) σ(α)=σ((√α)^2)=σ(√α)^2>0
α>β⇒α-β>0⇒σ(α-β)>0⇒σ(α)>σ(β)
(2) 有理数列ではさみうち

106 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/27(火) 20:31:31
もう少し頑張ろう。

4.分解体

K⊂B⊂EのときBを中間体という。
Kの多項式p(x)が拡大体Eにおいて
p(x)=a(x-α_1)(x-α_2)...(x-α_s)
と1次因子の積に分解されたとすると、このような分解が可能な最小の中間体は
α_1,α_2,...,α_sを含めばよいのでK(α_1,α_2,...,α_s)である。
この体をp(x)の(K上の)分解体という。

任意に与えられた多項式に対し定理7.を順次適用すれば1次因子の積に分解することができる。
すなわち次がいえる:

定理9.
体K内の任意の多項式p(x)について、p(x)のK上の分解体Eが存在する。

107 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/06/27(火) 20:32:49
続けると長くなりそうなのできょうはここまで。
p.33の下のほうまでやった。

108 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 02:13:56
ああああ、3日も休んじゃった。
今晩はもう無理なので週末ちょっと勉強できればいいかなと。

109 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 21:32:21
さて、続けます。
p.33いちばん下のところから。

任意の多項式p(x)にK上の拡大体E=K(α_1,...,α_s)が存在することが分かった。
このとき次のような包含関係の列ができる:
K=E_0⊂E_1⊂...⊂E_s=E, E_i=E_{i-1}(α_i)
この分解が同型を除いて一意に定まるというのが次の定理。

定理10.
σ:K→K'を上への同型とする。
p(x)をKの多項式とし、そのK'への像をp'(x)で表す。
またp(x)のK上の分解体をE、p'(x)のK'上の分解体をE'で表す。
するとσはEからE'への上への同型写像に延長される。

証明:
E内でp(x)=a(x-α_1)(x-α_2)...(x-α_s)と分解されているものとする。
全てのα_iがKに属するならばK=Eであり、σで写せばp'(x)もK'で分解されてE'=K'となりOK。
以下、Kに属さないα_iの個数n>0に関する帰納法で示す。

110 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 21:49:09
Kに属さないα_iの数がnより小さい場合は定理が成り立っているとする。[帰納法の仮定]

必要なら添字を付け替えて、α_1がKに属さないとしてよい。
α_1を根に持つK内の既約多項式をf(x)とすると、p(α_1)=0よりp(x)=f(x)g(x)であり、
σによる像を見ればp'(x)=f'(x)g'(x)である。

いまp'(x)のE'での分解をp'(x)=a'(x-β_1)(x-β_2)...(x-β_s)とする。
E'の拡大体でf'(x)は根γをもちp'(γ)=0となるので、β_iのひとつはγに一致する。
必要なら添字を付け替えてβ_1=γとしてよい。

すると定理8.(>>98)によりσは上への同型K(α_1)→K'(β_1)へ拡張され、
p(x),p'(x)はそれぞれK(α_1),K(β_1)上の多項式であり分解体はそれぞれE,E'、
K(α_1),K(β_1)に含まれる根の数はnより小さくなっている。
あとは帰納法の仮定により定理が証明された。

111 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 22:07:25
上のK(β_1)はK'(β_1)の誤植。


K内の多項式p(x)の任意の分解体は互いに同型。

つまり「p(x)の分解体」が一意的に定まり、たとえば「p(x)が重根をもつ」という性質は分解体の取り方によらない。
この一意性の意味をK=Qの場合にを例にとって考えよう。
p(x)をQ上の既約多項式とすると、p(α)=0なるαによる拡大体K(α)の構成法は二通りある。
第一は3節で(>>89-91あたり)扱ったように抽象的に代数を構成する方法であり、
第二はいわゆる代数学の基本定理で、p(α')=0なる複素数α'を解析学的に求め、具体的な元α'によって拡大する。
しかし定理8.によりK(α)とK(α')は同型であり、また定理10.により多項式の分解体も同型。
すなわり代数的基礎付けには第一の方法だけで十分であり、代数学の基本定理は必要としない。

112 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 22:20:51
以上で4節本文は終わり、演習問題。

問題4-1
有理数体Q内の次の多項式の分解体BはQ上何次か?
(1) f(x)=x^2+2x-4
(2) f(x)=x^3-2

解:
(1) f(x)はQ上既約、根をαとおくとQ(α)上f(x)は1次式に分解されるので
B=Q(α)、よって2次。
(2) 根をαとおくとf(x)=(x-α)(x^2+αx+α^2)、x^2+αx+α^2の根をβとおくと
B=Q(α,β)、(B/Q)=(B/Q(α))(Q(α)/Q)=2*3=6

113 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/01(土) 22:21:57
問題はまだあるけどまたあした。

114 :132人目の素数さん:2006/07/01(土) 22:26:49


115 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/02(日) 17:57:29
こんにちは。
あまり時間がないけど続きを。

問題4-2
有理数体Q内の3次式をf(x)=x^3+ax+bとする。
(1) f(x)=0の根をα,β,γとして、
D={(α-β)(β-γ)(γ-α)}^2とするときD=-4a^3-27b^2であることを示せ。
(2) Q上のf(x)の分解体をBとするとB=Q(√D,α)であることを示せ。

解:
(1) 根と係数の関係:α+β+γ=0, αβ+βγ+γα=a,αβγ=-bを使って頑張る。
(2) √D=(α-β)(α-γ)(γ-β)=(α^2-(β+γ)α+βγ)(γ-β)
-(β+γ)α+βγ=(β+γ)α+βγ-2(β+γ)α=a+2α^2より、√D=(a+3α^2)(γ-β)。
また、β+γ=-αだから、β,γ∈Q(√D,α)。

問題4-3
前問を用いて次の3次式の分解体BのQ上の次数を求めよ。
(1) x^3-3x+1
(2) x^3+2x+2

解:
(1) √D=√81=9、Q(√81,α)=Q(α)。よって2次。
(2) √D=√-140、(Q(α)/Q)=3よりQ(√D)はQ(α)に含まれないので、
(Q(√D,α)/Q)=2*3=6。

116 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/02(日) 18:08:10
次の節にはいります。
p.36

5.多項式の既約因子分解

既約分解の一意性。

定理11.
p(x)をK内の定数でない多項式とし、p(x)の既約分解が2通りあったとする:
p(x)=p_1(x)p_2(x)...p_r(x)=q_1(x)q_2(x)...q_s(x)
するとr=sであり、添字を付け直せばp_i(x)=c_iq_i(x), c_i∈Kとできる。

証明:
p(x)の分解体を作り、p_1(x)の根の一つをαとおいて代入すると、
0=q_1(α)...q_s(α)
であるので、右辺の因子の少なくとも一つは0になる。
添字を付け替えてq_1(α)=0とする。
q_1(x)はp_1(x)で割り切れる既約多項式なのでp_1(x)=c_1q_1(x)。
以下、帰納的に証明される。

117 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/02(日) 18:16:54
この節はこれだけ、問題が1問ある。

問題5-1
K=Z_7とするとき(>>78参照)、次の多項式がK上既約か調べよ。
(1) x^2-3
(2) x^3-3x-5

解:
(1) xに0,...6を代入しても0にならないので既約。
(2) x^3-3x-5=(x-1)(x^2+x+5)=(x-1)^2(x-5)、可約。

以上。
切りがよいので今日はここまで。

118 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/05(水) 17:39:43
週末やったのに2日休んでしまっては意味ないのだが・・・
続けます。

6.群指標

Gを群、Kを体としσ:G→Kがσ(αβ)=σ(α)σ(β)をみたすものとする。
あるαに対しσ(α)=0ならば任意のβについてσ(β)=σ(αα^{-1}β)=σ(α)σ(α^{-1}β)=0
となるのでσは自明。
よって任意のα∈Gに対してσ(α)≠0と仮定する。
このようなσをKにおけるGの指標と名付ける。

119 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/05(水) 17:50:41
定理12.
体Kにおける群Gの異なる指標σ_1,...σ_nは一次独立。
すなわちa_1,...a_n∈Kにたいしてa_1σ_1(x)+...a_nσ_n(x)=0がすべてのx∈Gでなりたつなら
a_1=...=a_n=0である。

証明
nについての帰納法。
n=1ならa_1σ_1(x)=0、σ_1≠0よりa_1=0。
n>1とし、定理がnより小さい場合に成立するものとする。
仮定の式a_1σ_1(x)+...a_nσ_n(x)=0のxにαxを代入すると、
 a_1σ_1(α)σ_1(x)+...a_nσ_n(α)σ_n(x)=0
また仮定の式にσ_n(α_n)をかけると
 a_1σ_n(α)σ_1(x)+...a_nσ_n(α)σ_n(x)=0
差をとると
a_1[σ_1(α)-σ_n(α)]σ_1(x)+...+a_{n-1}[σ_{n-1}(α)-σ_n(α)]σ_{n-1}(x)=0
帰納法の仮定よりa_1[σ_1(α)-σ_n(α)]=0。
σ_1とσ_nは異なるからσ_1(α)≠σ_n(α)なるαをとっておけばa_1=0
これを代入して帰納法の仮定よりa_2=...=a_n=0も分かる。

120 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/05(水) 18:02:48
Gとして体Eの乗法群(Eの0でない元の乗法からなる群)をとり、
指標を体Eから体E'への中への同型写像とすると次がいえる:


E,E'を体とする。
EからE'への中への異なる同型写像σ_1,...,σ_nは一次独立。

σ_1,...,σ_n:E→E'中への同型写像とするとき、
σ_1(a)=...=σ_n(a)となるaをσ_1,...,σ_nに関するEの不変要素とよぶ。
これはE=E',σ_1=idのときσ_2(a)=...=σ_n(a)=aであることによる。

本日はここまで。
p.38までやった。

121 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/07(金) 18:08:56
p.39から続けますよ。

補題
中への同型写像σ_1,...,σ_n:E→E'に関する不変要素の集合はEの部分体をなす。
これをσ_1,...,σ_nに関する不変体という。

証明
同型であることを使って不変要素の和、差、積、逆元も不変要素になることを示せばよい。

122 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/07(金) 18:20:40
定理13.
相異なる同型写像σ_1,...,σ_n:E→E'の不変体をKとすると(E/K)≧n

証明
(E/K)=r<nとして矛盾を導く。
EのK上の基底をω_1,...,ω_rとし、連立方程式:
σ_1(ω_1)x_1+σ_2(ω_1)x_2+...+σ_n(ω_1)x_n=0
σ_1(ω_2)x_1+σ_2(ω_2)x_2+...+σ_n(ω_2)x_n=0
.......
σ_1(ω_r)x_1+σ_2(ω_r)x_2+...+σ_n(ω_r)x_n=0
をつくると、未知数の数が方程式よりも多いので非自明解x_1,...,x_nをもつ。

Eの元α=a_1ω_1+...+a_rω_rをとる。
上の連立方程式の第1式にσ_1(a_1)をかけ、第2式にσ_1(a_2)をかけ、とやっていくと、
σ_1(a_1ω_1)x_1+σ_2(a_1ω_1)x_2+...+σ_n(a_1ω_1)x_n=0
......
σ_1(a_rω_r)x_1+σ_2(a_rω_r)x_2+...+σ_n(a_rω_r)x_n=0
を得る。ただしσ_1(a_i)=σ_j(a_i)をつかった。
この式を加えて
σ_1(α)x_1+σ_2(α)x_2+...+σ_n(α)x_n=0
x_1,...,x_nの中に0でないものがあるが、σ_iの独立性に矛盾。

123 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/07(金) 18:30:36

相異なる自己同型σ_1,...,σ_n:E→Eがあるとき、σ_i(a)=a, i=1,...,nとなるa
からなる体Kは(E/K)≧n

証明
σ_iの中にid.があれば上の定理より明らか。
そうでなければ(E/K)≧n+1

自己同型写像はその合成や逆写像も自己同型なので、自己同型全体の集合は群をなす。
Eの部分体Kの各元aについてσ(a)=aとなるときσは体Kを不変にするという。
Kを不変にする自己同型全体も群Gをなす。
このときGの不変体K'をつくるとKはK'の部分体になる。

問題6-1
σ,τをEの自己同型写像とすると、その合成στもEの自己同型写像になることを示せ。

解:略

124 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/07(金) 18:34:17
今週はここまで。
ずいぶん下がってきたし、来週はあまり来ない気がするのであげておく。

アルティンのガロア理論入門読んでます。
和訳第2章6節まで終わった。

125 :132人目の素数さん:2006/07/07(金) 23:19:37
熱心ですね。頑張ってください。継続は力なりですね。

126 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/13(木) 18:19:30
さぼりまくりで熱心とはほど遠い状態です。
惰性でなんとか続けてますが。

さて、p.40最下部から。

7.定理13の応用例

例1.
kを体、E=k(x)をk係数で変数xの有理関数体とする。
f(x)にf(1/x)を対応する写像、f(x)にf(1-x)を対応する写像はEの自己同型で、
これらを合成して次の6つの写像をえる:
σ_1(f(x))=f(x), σ_2(f(x))=f(1/x), σ_3(f(x))=f(1-x),
σ_4(f(x))=f(1-1/x), σ_5(f(x))=f(1/(1-x)), σ_6(f(x))=f(x/(x-1))
この6つの自己同型に関する不変体Kは、次を満たす有理関数全体からなる:
f(x)=f(1-x)=f(1/x)=f(1-x)=f(1-1/x)=f(1/(1-x))=f(x/(x-1))
関数I=I(x)=(x^2-x+1)^3 / [x^2(x-1)^2]はKに属し、Iの有理関数体S=k(I)はKに含まれる。
このときK=S=k(I), (E/K)=6である。

証明
定理13より(E/K)≧6なので(E/S)≧6、よって(E/S)≦6を示せばよい。
E=S(x)だからxを根に持つS係数6次方程式があればよい。
(x^2-x+1)^3-Ix^2(x-1)^2=0
がそれを満たす。

127 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/13(木) 18:21:43
少ないけど今日はここまで。

128 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/15(土) 16:20:18
例2.
n変数x_1,...,x_nの有理関数体をE=k(x_1,...,x_n)とする。
n個の変数を入れ替える写像は自己同型であり、恒等写像をいれてn!個の自己同型写像を得る。
この不変体Kはいわゆる対称関数からなり、定理13より(E/K)≧n!が成り立つ。
次に多項式f(t)=(t-x_1)(t-x_2)...(t-x_n)=t^n+a_1t^{n-1}+...+a_nを見る。
係数a_1=-(x_1+...+x_n),a_2=x_1x_2+...+x_{n-1}x_n等であり、a_1,...,a_nは基本対称式と呼ばれ、
明らかにS=k(a_1,...,a_n)はKに含まれる。
このとき実はK=S, (E/K)=n!である。

証明
(E/S)≦n!を示せばよい。
S_n=S, S_i=S(x_{i+1},x_{i+2},...,x_n)として体の列
S=S_n⊂S_{n-1}⊂S_{n-2}⊂...⊂S_1⊂S_0=Eを考えると、(S_{i-1}/S_i)≦iを示せばよい。
S_{i-1}=S_i(x_i)であるから、S_i係数で次数≦iのx_i多項式を見つければよい。
F_i(t)=f(t) / [(t-x_{i+1})(t-x_{i+2})...(t-x_n)]とおく。
これはtのi次多項式で最高次係数1、他の係数はa_1,...,a_n,x_{i+1},...,x_nの多項式であり、明らかにF_i(x_i)=0。
よって示された。

129 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/15(土) 16:32:16
この結果から(S_{i-1}/S_i)=iであり、S_{i-1}はS_i上1,x_i,...,x_i^{i-1}で張られる。
よってEはS上、
   x_1^{ν_1}x_2^{ν_2}...x_n^{ν_n},(ν_i≦i-1)
のかたちのn!個の元で生成される。
つまり、Eの任意の元はS係数で上のかたちの元の線形和に一意的に分解される。

とくに
『k係数x_1,...,x_n多項式をS係数で表すと、係数はa_1,...,a_nの多項式である』
ことが示され、そこから次の定理が導かれる:

対称式の基本定理
不変体Kの多項式g(x_1,...,x_n)=gはa_1,...,a_nの多項式として書き表される。

130 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/15(土) 16:51:02
証明
(1)『』⇒基本定理
K=Sであるから、上の基底でgを表すとg=g・1となる。
ただし1はν_1=...=ν_n=0とおいたものである。
『』をみとめると、この1の係数gはa_1,...,a_nの多項式なので基本定理を得る。

(2)『』の証明
g(x_1,...,x_n)を任意のk係数多項式とする。
F_1(x_1)=0でF_1(t)の最高次係数は1なのでx_1はa_iとx_2,...,x_nの多項式で表される。
これをg(x_1,...,x_2)に代入する。
次にF_2(x_2)=0だから、x_2の2乗以上のベキはa_iとx_2,x_3,...,x_nの多項式で表され、x_2は高々1乗である。
以下同様の操作を繰り返し、題意が示される。

131 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/15(土) 16:53:20
今日はここまで。
昨日休んでしまったので週末勉強してみた。
問題を残して7節本文終わり、p.44中程まで。
対称式とかでてきて、何となくガロア理論らしくなってきた気がする。

132 :132人目の素数さん:2006/07/17(月) 21:11:55
age

133 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/21(金) 17:49:06
あー、今週は忙しかった。
早く帰って寝たいけど解き残した7節の問題だけやっときます。

問題7-1
(1) 例1の群においてσ_1,σ_4,σ_5は部分群Uを作る。
Uの群表を作れ。
(2) J=[x^3+x^2-4x+1] / x(x-1)とおくとUの不変体はk(J)であることを示せ。


(1) σ_1は恒等写像なのでおいとくとして、
σ_4σ_5=σ_5σ_4=σ_1, σ_4σ_4=σ_5, σ_5σ_5=σ_4.
これを表にまとめればよい。
(2) 不変体をKとおくと定理13より(E/K)≧3である。
JはKの元であることが確かめられるのでk(J)⊂K。
よって(E/k(J))≦3を示せばよい。
E=k(J)(x)だからxを根に持つk(J)係数の3次方程式があればよいが、
x^3+x^2-4x+1-Jx(x-1)=0がそれである。

134 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/21(金) 17:54:50
問題7-2
有理数体Q上の有理関数体をE=Q(x)とする。
σ:f(x)→f(x+1)とするとσはEの自己同型写像。
σの生成する群の不変体を定めよ。


σの不変体の元は任意の整数nに対してf(x+n)=f(x)をみたす。
このような有理関数は定数関数しかないので、不変体はQ。

以上で7節終わり、p.44まで。
次の8節は正規拡大体でガロア理論の基本定理が出てくるらしいけど、また来週。

135 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:25:49
今週は少し時間が取れそうだ。
夏休み前にちょっと進めておきたい。
p.44新しい節から。

8.正規拡大体

>>123の定理13の系において、σ_1,...,σ_nが群をなさないとき等号は不成立。
例えばσ_1σ_2がどのσ_iでもないならσ_1,...,σ_n,σ_1σ_2に定理を適用すると、
不変体は変わらないので(E/K)≧n+1>n。

σ_1,...,σ_nが群をなすものとする。
S(α)=σ_1(α)+...+σ_n(α)とおくと、σ_iS(α)=S(α)なのでS(α)∈Kである。
関数Sをトレ−スといい、これは指標の一次独立性から恒等的に0にはならない。

定理14.
σ_1,...,σ_nが体Eの自己同型写像の群Gをなすとき不変体Kについて(E/K)=n。

136 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:27:00
証明
定理13より(E/K)≧nだからn+1個の元α_1,...,α_{n+1}がK上一次従属をいえばよい。
次のx_iの連立方程式を考える:
x_1σ_1^{-1}(α_1)+x_2σ_1^{-1}(α_2)+...+x_{n+1}σ_1^{-1}(α_{n+1})=0
......
x_1σ_n^{-1}(α_1)+x_2σ_n^{-1}(α_2)+...+x_{n+1}σ_n^{-1}(α_{n+1})=0
未知数の数が方程式の数より多いので非自明解を持つ。
x_1≠0と仮定してよい。
さらにx_1,...,x_{n+1}が解ならcx_1,...,cx_{n+1}も解になることから、
必要なら適当なEの元をかけたものと取り替えてS(x_1)≠0と仮定してよい。

i番目の式にσ_iをかけると:
σ_1(x_1)α_1+...+σ_1(x_{n+1})α_{n+1}=0
......
σ_n(x_1)α_1+...+σ_n(x_{n+1})α_{n+1}=0
これらを足すと
S(x_1)α_1+...+S(x_{n+1})α_{n+1}=0
S(x_1)≠0だったからα_1,...,α_{n+1}は一次従属。

137 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:27:44
系1.
定理14の条件で、体Kを不変にするEの自己同型はGに属する。

証明
Gに含まれずKを不変にする自己同型σが存在したとき、
Gにσを加えたものの不変体もKなので定理13を適用すると、(E/K)≧n+1で矛盾。

系2.
Eの自己同型写像の作る異なる有限群は異なる不変体を持つ。

定義
体Kの拡大体Eが、自己同型からなる有限群Gの不変体をKに持つとき、
EはKの正規拡大体、GはEのK上の自己同型群、という。
K内の多項式f(x)が、重根をもたない既約因子からなるとき分離的であるという。
Kの分離的な多項式の根になるようなEの要素αも分離的であるとよぶ。
Eの全ての要素が分離的のとき、Kの分離拡大体であるとよばれる。

138 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:28:22
定理15.
K⊂E:正規拡大体、G:自己同型群とするとEはKの分離的拡大体である。
Eの要素αにGの要素を施したもののうち異なるものをα_1,...,α_rとすると、
多項式p(x)=(x-α_1)...(x-α_r)はαを根に持つKの既約多項式である。

証明
α_1,...,α_rにGの元を施しても並び方が変わるだけであることに注意すると、
p(x)の係数はGで不変なのでp(x)内のK分離的多項式で、明らかにαを根に持つ。
また、f(x)がf(α)=0を満たすKの多項式であるとすると、
σ_i(f(α))=f(σ_i(α))=0なのでα_1,...,α_rを根に持ち、よってp(x)で割り切れる。
すなわちp(x)は既約で定理は示された。


K⊂Eを正規拡大体、K内の既約多項式p(x)がE内に根αを持つとする。
するとp(x)はE内で1次因子のみに分解される。

証明
上の証明後半の議論と既約性よりp(x)は定理15で作ったものに一致する。

139 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:29:00
定理16.
K⊂Eを正規拡大体、Gを自己同型群とする。
Bを中間体とするとき、Bを不変にするGの要素全体をUとおくと、
EはBの正規拡大体でありUがその自己同型群になる。

証明
Uが群をなすことは容易に分かる。
群Uの不変体をB'とおくとB⊂B'かつ(E/B')=|U|=rだから(E/B)=rを示せばよい。
一般にGの元σ_iはBをEの中へ同型に写す。
このとき異なる自己同型σ_i,σ_jがB上では一致することもありうる。
このときBの任意の元βに対してσ_i(β)=σ_j(β)、よってσ_i^{-1}σ_j(β)=β、
つまりはσ_i^{-1}σ_j∈U、さらにはσ_j∈σ_i Uと同値になる。
すなわち同一の剰余類σ_i Uに属する元はB上同じ同型写像を導く。
|U|=r,|G|=nなのでn=rsとおくとsは剰余類の個数、
すなわちGの要素のBへの制限の中にはs個の異なるものがある。
このs個の元の不変体はKになるから定理13より(B/K)≧s。
また(E/B)≧rだから(E/K)≧nだが、最後は等号が成り立つので全ての不等式で等号成立。

この証明からKのs次の中間体BにはGの元によるE内への同型写像がs個あることがわかり、
これはEのどのような拡大体であってもこのほかにはKを不変にする同型はない。

140 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/24(月) 18:32:40
本日はこれにて。
p.48真ん中くらいまで。
今日は実質的に部分群と中間体の対応を示したのだけど、
明日はこの辺をもう少し詰めていっていよいよ基本定理を導く。

141 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:19:08
>>139の最後2行は我ながらよく分かってなかったので下のa)に書き直し。
さらに議論を重ねて基本定理の証明に進む。

a)[Kを不変にするBからEへの同型写像の確定]
>>139の証明の最後の部分を見ると、(B/K)=|G|/|U|が示されていることが分かる。
この左辺はBをKの拡大体としてみたときの次数でありBとKだけで決まる。
それに対して右辺のGは正規拡大体Eの自己同型群であり、Eの取り方は一意的でない。
つまりKのどのような正規拡大体をとっても、その自己同型群の元をBからEへの
中への同型写像としてみれば相異なるものは(B/K)個しかない。
さらにいいかえれば(B/K)=sのときσ:B→EでKの元を不変にするようなものは
(拡大体Eのとりかたによらず)s個しかない。

b)[中間体と部分群の対応]
Gの部分群Uには不変体として中間体Bが対応し、定理14系2(>>137)により対応は一対一。
また、定理16(>>139)で示したように全ての中間体に部分群が対応する。
すなわち部分群の集合と中間体の集合には全単射がある。

c)[中間体と部分群の包含関係]
部分群U_1,U_2がU_1⊂U_2を満たすなら、対応する部分群B_1,B_2はB_1⊃B_2となる。
とくにGにはKが対応し自明な群にはEが対応する。

142 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:19:48
d)[正規拡大体⇒正規部分群]
Bを部分群Uに対する中間体とする。
σ∈Gに対しσ(B)も中間体。
σ(B)に対応する群の元τは、任意のβ∈Bに対してτσ(β)=σ(β)なので、
σ^{-1}τσ(β)=βと同値、よってσ^{-1}τσ∈U、すなわちτ∈σUσ^{-1}。
つまり中間体σ(B)に対応する部分郡はσUσ^{-1}。

Bが正規拡大体である場合を考えよう。
(B/K)=sとすると、a)の考察よりσ:B→EでKを不変にするものはs個しかない。
他方定理14(>>135)によればこの全てがBの自己同型、即ちσ(B)=Bとなる。
前段落からこれはσUσ^{-1}=Uを意味し、このような部分郡は正規部分群とよばれる。
よってBがKの正規拡大体であるのは、対応する部分群UはGの正規部分群の場合である。

e)[正規部分群の商群]
最後にBの自己同型群を確定しなければならない。
中間体BがKの正規拡大体で、UがGの正規部分群であるとする。
Kを不変にするBの自己同型写像はGのある元σをBに制限したものであり、
この制限が一致する元の集合は剰余類σUになる。
このような二つの剰余類σU,τUをとると、これらにはσ,τのBへの制限が対応する。
するとその積στをBに制限したものもBの自己同型であり剰余類στUに対応するが、
Uが正規部分群であるからστU=(σU)(τU)である。
つまりBの自己同型写像の演算は剰余類の演算に対応して行われることがわかった。
よって正規部分群Uの剰余類が群をなすことがわかり、これは商群G/Uとよばれる。
すなわち正規拡大体Bの自己同型群は商群G/Uである。

143 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:20:28
以上の議論をまとめると次の基本定理を得る:

定理17.(基本定理)
K⊂Eを正規拡大体、Gをその自己同型群とする。
Gの部分群Uとその不変体Bの対応は、部分群と中間体の全単射を導く。
この対応は包含関係を逆にする。
中間体Bに対応する部分群はBを不変にするGの要素から構成され、
  (E/B)=Uの位数
  (B/K)=GにおけるUの位数=剰余類の個数
である。
Eの拡大体の中で考えると、Kを不変にするBの同型写像はGの元σのBへの制限であり、
剰余類σUの元はB上同じ自己同型を引き起こす。
さらにBがKの正規拡大体であるための条件は、UがGの正規部分群であることであり、
その自己同型群は商群G/Uである。

144 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:21:15
次の定理は正規拡大体になるための判定条件を与える:

定理18.
EがKの正規拡大体であるための条件は、EがK内の分離多項式の分解体となることである。

証明
[正規拡大体⇒分解体]
K⊂Eを正規拡大体とし、EのK上の生成元をω_1,...,ω_nとする。
またp_i(x)をω_iを根に持つK上の既約多項式とする。
定理15(>>138)よりp_i(x)は分離的でありE内で一次因子に分解する。
  p(x)=p_1(x)p_2(x)...p_n(x)
とおくとp(x)も分離的でE内で一次因子に分解する。
(代数的数を根に持つ既約多項式は一意的に決まる>>87
よって積をとって新たに重根が現れることはない。)
p(x)の根の中にすべてのω_iが含まれるのでp(x)の分解体はEそのものである。
(つづく)

145 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:21:59
[分解体⇒正規拡大体]
K内の分離多項式p(x)の分解体をEとし、Kを不変にするEの自己同型全体の群をGとする。
(E/K)<∞なので定理13の系>>123よりGは有限群。
逆にGの任意の元で不変なEの元θがKに属することを言えばよい。

p(x)の根でKに含まれていないもの個数に関する帰納法で示す。
p(x)の根が全てKに含まれていればE=Kで明らか。
いま、Kに含まれないp(x)の根の個数がn(≧1)より小さいとき定理が成り立つと仮定し、
ちょうどn個のp(x)の根がKに含まれないものとする。
α_1をそのような根の一つとし、p_1(x)をp_1(α_1)=0となるKの既約多項式とする。
p_1(x)はp(x)の約数であり、p(x)は分離的だからp_1(x)も重根をもたない。
ここで体K(α_1)を考えると、p(x)はK(α_1)上の分離多項式でありEを分解体に持つ。
さらにp(x)の根でK(α_1)に含まれないものの数はnより小さいので帰納法の仮定より
EはK(α_1)上の正規拡大体である。
K(α_1)を不変にするGの部分群をUとする。
θがGの任意の元で不変ならばUの元でも不変なのでθ∈K(α_1)。
p_1(x)の次数をsとするとc_i∈Kについてθは次のようにかける:
(**) θ=c_0+c_1α_1+c_2α_1^2+...+c_{s-1}α_1^{s-1}
(つづく)

146 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:23:02
p_1(x)は重根をもたず、相異なる解をα_1,...,α_sとあらわすと、
定理8(>>98)よりKを不変にする同相写像σ_i:K(α_1)→K(α_i)で
σ_i(α_1)=α_iとなるものが存在し、p_1(x)はp_1(x)にうつる。
よってEはp(x)のK(α_1)上の分解体であると同時にK(α_i)上の分解体でもある。
定理10(>>109)によりσ_iはKを不変にするEの自己同型に拡張されるのでσ_i∈Gである。
これを(**)に作用させると次の方程式を得る。
θ=c_0+c_1α_i+c_2α_i^2+...+c_{s-1}α_i^{s-1}
すると方程式
c_{s-1}x^{s-1}+c_{s-2}x^{s-2}+...+c_1x+(c_0-θ)=0
は次数より多くの数の異なる解α_1,...,α_sをもつので、全ての係数は0になる。
とくに定数項=0よりθ=c_0∈K。
これが示すべきことであった。(証明終)

147 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:23:35
[自己同型群と根の置換]
K⊂E正規拡大体がE=K(α_1,...,α_r)と表されているものとする。
自己同型群Gの元σはKを不変にするので全てのσ(α_i)が分かればσが確定する。
またf(α_i)=0なるK内の多項式があればσ(f(α_i))=f(σ(α_i))=0なので、
σ(α_i)もf(x)の根になる。
すなわちEが分離的多項式の分解体であり、α_1,...,α_nがその多項式の根ならば
Eの生成系は{α_i}でありσ∈Gは根の置換を与える。

148 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:24:07
[例:x^4-2]
K=Q、Eをx^4-2の分解体とする。
x^4-2の根は複素数体内で[4]√2,-[4]√2,i[4]√2,-i[4]√2である。
(ただし[4]√2=2^{1/4}と記した。)
分解体Eは[4]√2,iで生成されると考えてよい。
x^4-2はKで既約なので(K([4]√2)/K)=4。
またK([4]√2)は実数の集合なのでx^2+1は既約、よって(E/K([4]√2))=2。
ゆえに(E/K)=8であることがわかる。
Eは分離多項式の分解体なので正規拡大体、それゆえちょうど8個の自己同型をもつ。
部分群と中間体の対応から、[4]√2の像は4つの可能性がありiは2つの可能性があるが、
それらの組み合わせでちょうど8つの自己同型が群をなす。
実際にはσをσ([4]√2)=-i[4]√2, σ(i)=iなるもの、
τをτ([4]√2)=[4]√2, τ(i)=-iなるものとすれば、
8個の自己同型:1, σ, σ^2, σ^3, τ, στ, σ^2τ, σ^3τに
関係式:σ^4=1, τ^2=1, τστ^{-1}=σ^{-1}が成り立つ。
これは3次元空間内の正方形の回転群と同型。
K上のベクトル空間としてのEの生成系は
<1, [4]√2, ([4]√2)^2, ([4]√2)^3, i, i[4]√2, i([4]√2)^2, i([4]√2)^3>
がとれる。
Gの部分群に対応する中間体を求めるのは問題8-4で行う。
求め方は、Eの要素θをKの上の生成系に関して線形結合で書き、
Uの各元λに対してλ(θ)=θとなる条件を決めればよい。

149 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:28:30
以上で8節本文終わり。
p.53真ん中あたりまで。
引き続き演習問題。

問題8-1
Qを有理数体とするとき次の体の自己同型写像を求めよ。
(1) Q(√2)
(2) Q([3]√2)


問題3-6(>>104)よりQの自己同型は恒等写像しかないことに注意。
(1) √2を√2に写す恒等写像と、√2を-√2に写すものの2つ。
(2) (σ([3]√2))^3=σ(([3]√2)^3)=σ(2)=2であり、
Q([3]√2)内に2の3乗根は[3]√2しかないので、恒等写像のみ。

150 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/25(火) 18:30:05
問題8-2
Q(√2,√3)はQの正規拡大体であることを示し、その自己同型群を定めよ。


分離多項式(x^2-2)(x^2-3)の分解体なので正規拡大体。
自己同型群は<√2,√3>を<±√2,±√3>に写す写像で符号の取り方から4つの元を含み、
実際(Q(√2,√3)/Q)=4なのでこれらのなす群。

問題8-3
Q上x^3-2の分解体はQ([3]√2,ω)であることを示し、自己同型群を定めよ。
ただしω=e^{2πi/3}。


x^3-2=(x-[3]√2)(x+[3]√2ω)(x-[3]√2ω)より分解体になってる。
(Q([3]√2)/Q)=3, (Q([3]√2,ω)/Q([3]√2))=2より(Q([3]√2,ω)/Q)=6、
よって6つの自己同型を決めればよい。
[3]√2の像の候補は[3]√2, [3]√2ω, [3]√2ω^2の3通り、
ωの像の候補はω, ω^2の2通りで組み合わせれば6通りが得られる。

まだまだ問題8-8まであるけど本日はこれにて。

151 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:19:53
昨日の8-3の解の一行目は
x^3-2=(x-[3]√2)(x-[3]√2ω)(x-[3]√2ω^2)
の間違いでしたね。
で、問題を続けます。

問題8-4
本文中のx^4-2の分解体Eの自己同型群に対し、次の3つの部分群:
U_1={1,στ}, U_2={1,σ^2}, V={1,σ^2,στ,σ^3}
に関する不変体がそれぞれ次のものになることを示せ。
B_1=Q((1+i)[4]√2), B_2=Q((1-i)[4]√2), C=Q(i√2)


>>148の方針に従いU_1とB_1の対応を調べる。
>>148で挙げられている基底に関する成分表示を(c_0,...,c_7)とし、
さらに省略して(_0,...,_7)と書くことにする。
στ(_0,...,_7)=(_0,_5,-_2,-_7,-_4,_1,_6,-_3)であることが計算されるので
不変体の元は_1=_5, _2=0, _3=-_7, _4=0を満たし、
一般にc_0+c_1(1+i)[4]√2+c_3(1-i)([4]√2)^3+c_6i([4]√2)^2と表される元である。
ここで(1+i)^2=2i, (1+i)^3=-2(1-i)であることから、
上の形の元全体の集合はQ((1+i)[4]√2)=B_1に一致する。

別解
U_1に対応する不変体をK_1とすると、στ((1+i)[4]√2)=(1+i)[4]√2よりB_1⊂K_1。
また((1+i)[4]√2)^4=-8であり、x^4+8はQ上既約なので(B_1/Q)=4。
ところが|G|/|U_1|=4から(K_1/Q)=4、ゆえにK_1=B_1。

U_2,Vについても同様に。

152 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:20:48
問題8-5
K⊂Eを正規拡大体、Gを自己同型群とする。
中間体B_1,B_2に対しこれらを含む最小の体をB_1B_2、共通部分をB_1∩B_2とする。
B_1,B_2に対する部分群をそれぞれU_1,U_2とするとき次を示せ。
(1) B_1B_2にU_1∩U_2が対応する。
(2) B_1∩B_2にはU_1,U_2を含む最小の部分群Wが対応する。


(1) B_1B_2に対応する部分群をUとおく。
部分群と不変体の包含関係(>>141c)からU⊂U_1∩U_2。
U_1∩U_2の元はB_1とB_2の元を不変にするが、B_1B_2の元はB_1, B_2の元でかけるので
U_1∩U_2の元によってやはり不変になる。
ゆえにU_1∩U_2⊂Uでもある。

(2) B_1∩B_2に対応する部分群をVとすると包含関係よりW⊂V。
一方U_1⊂W,U_2⊂WよりWに対応する不変体BはB⊂B_1∩B_2ゆえV⊂W。

153 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:21:33
問題8-6
(1) Kの標数が2でないとき、K上2次の拡大体EはKの正規拡大体になることを示せ。
(2) (E/K)=3でEがKの正規拡大体とならない例を挙げよ。


(1) Kに含まれないEの元αはaα^2+bα+c=0を満たす。
よって2次多項式f(x)=ax^2+bx+cの根であるが、f(x)=a(x-α)(x-β)と分解すると
β=-b/a-αであり、重根をもつならば2α∈Kだが、Kは標数2ではないのであり得ない。
よってf(x)は分離多項式、ゆえにEは正規拡大体。

154 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:22:18
(2) Q([3]√2)はQの正規拡大体ではない。
問題8-1(>>149)(2)よりQ([3]√2)の自己同型は恒等写像のみで、Qは不変体になり得ない。

155 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:22:53
問題8-7
次が正しければ証明し、正しくないときは反例を挙げよ。
(1) K⊂Eを正規拡大体、B_1,B_2を中間体とする。
B_1,B_2がともにKの正規拡大体ならばB_1B_2も正規拡大体である。
(2) B_1がKの正規拡大体、B_2がB_1の正規拡大体ならばB_2はKの正規拡大体である。


(1) 正しい。
B_1,B_2に対応する部分群をU_1,U_2とすると問題8-5(1)よりB_1B_2にはU_1∩U_2が対応。
B_1,B_2は正規拡大体なのでU_1,U_2は正規部分群、するとU_1∩U_2も正規部分群。
よってB_1B_2は正規拡大体になる。
[別証]B_1,B_2が分離多項式f_1(x),f_2(x)の分解体であるとき、
B_1B_2は分離多項式f_1(x)f_2(x)の分解体となるから。

(2) 正しくない。
Q(√2)はQの正規拡大体、Q([4]√2)はQ(√2)の正規拡大体だが、
Q([4]√2)はQの正規拡大体ではない(問題8-1と同様に)。

156 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:23:23
問題8-8
K⊂B⊂Eを中間体と正規拡大体とする。
BのE内への異なる同型写像をτ_1,...,τ_mとし、θ∈Bに対して
  S(θ)=τ_1(θ)+...+τ_m(θ)
  N(θ)=τ_1(θ)...τ_m(θ)
とすると、S(θ),N(θ)はKの元であることを示せ。
一般にf(x)=(x-τ_1(θ))...(x-τ_m(θ))とおくと
f(x)はθを根に持つK内の多項式であることを示せ。


>>139の証明や>>141a)の考察からEの自己同型群Gは不変体Bに対応する部分群U
についての剰余類に分解したとき格類の代表元にτ_1,...,τ_mをとれる、
すなわちG=∪_{i=1}^m τ_iUである。
Gの任意の元σに対して{στ_i}も代表元の集合になるので
σS(θ)=θ, σN(θ)=θがわかる。
同様にf(x)の係数もGの元で不変でありよってKの元である。

157 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:54:49
さて、節を改めて続けます。
p.54中ほどから。

9.代数的分離拡大体

K⊂E拡大体が代数的であるとは、Eの任意の元がK上代数的であることを言う。

定理19.
(E/K)が有限ならばEはKの代数的拡大体である。

証明
(E/K)=nとする。
αをKに含まれないEの元とすると、1,α,...,α^nはK上一次従属になるが
その一次従属を表す式はK係数多項式でαを根に持つものを導く。

158 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 16:59:37
EをKに有限個の代数的元α_1,α_2,...,α_rを付加して得られる体とする。
K⊂K(α_1)⊂K(α_1,α_2)⊂...⊂K(α_1,α_2,...,α_r)=E
を考えると、各ステップは有限次拡大なので(E/K)も有限次。
よってEはK上代数的である。
Kに無限個の代数的元を付加する場合でも、任意の元は上記のような列の有限な部分に
含まれているのでK上代数的。
よって次の定理が分かった。

定理20.
Kに代数的な元を付加して得られる拡大体は代数的拡大体である。

159 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 17:09:20
さらに、

定理21.
K⊂E_1⊂E_2でE_1はKの、E_2はE_1の代数的拡大体とすると、E_2はKの代数的拡大体。

証明
α⊂E_2とすると、αはE_1内の代数方程式を満たす。
その係数をα_1,...,α_rとするとαはE'=K(α_1,...,α_r)上代数的。
よってE'(α)はE'の有限次拡大でありE'はKの有限次拡大である。
従って(E'(α)/K)は有限次、αはK上代数的。

160 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/26(水) 17:18:12
E=K(α_1,...,α_r)とし、各α_iがK上分離的とすると
α_iを根に持つ既約多項式p_i(x)は重根をもたない。
f(x)=p_1(x)...p_r(x)とおきf(x)のE上の分解体をE'で表すと、
E'はK上f(x)の分解体でEを中間体にもつ。
定理18(>>144)からE'はKの正規拡大体、定理15(>>138)からE'は分離拡大体、
よってEもKの分離拡大体。
正規拡大体E'の中間体の個数は自己同型群の部分郡の個数に等しく有限。
以上をまとめて次の定理を得る。

定理22.
E=K(α_1,...,α_r)とし、α_iはすべてK上分離的とする。
するとEはKの分離拡大体であり、KとEの中間体は有限個しかない。
またEをK上の正規拡大体E'に拡大することができる。

本日ここまで。
p.55でやっと本文の真ん中くらい。
第1章の20ページ飛ばしたにもかかわらずこのペースだと先が思いやられるな。

161 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/27(木) 18:34:37
今日は分からぬところがあって気が重い。
p.56から続けると、

補題
σ:K→K'を上への同型写像、p(x)を重根をもたないKの多項式とする。
p'(x)をp(x)のσによる像とするとp'(x)も重根をもたない。

証明
E,E'をそれぞれK,K'上のp(x),p'(x)の分解体とすると、
定理10(>>109)よりσはτ:E→E'同型写像に拡張される。
p(x)をEで1次因子に分解してτでp'(x)に写せばよい。

定理23
K⊂E_1⊂E_2でE_1はK上、E_2はE_1上分離的有限次拡大のときE_2はK上で分離的である。

まできたところでその証明がよくわからない。
有限次拡大であることをどこで使ってるんだろうか。
もう少し考えて出直します。

162 :132人目の素数さん:2006/07/28(金) 02:05:27
age

163 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:09:55
昨日は本当にバカだった。
E_1を拡大してKの正規拡大体Eをつくる、というところがはっきりと分からなかったので
あれこれ考えてなんとか証明がつけられたけどどっかで見たことのあるような論法だった。
とおもったら直前の定理22で証明してた・・・orz

さて、気を取り直して再開。

証明
E_2の元αをとると、E_1内の既約多項式p(x)でαを根に持ち重根をもたないものがある。
p(x)を使ってK係数多項式f(x)で重根をもたずf(α)=0となるものを導くのが目標。
定理22(>>160)よりE_1を拡大してK上の正規拡大体Eをつくり、その自己同型群をGとする。
p(x)のE内の既約因子をp_1(x),...,p_r(x)とすると、これらは互いに異なり重根をもたない。
これら多項式にGの元すべてを作用させて得られた多項式すべての中から相異なるものを
q_1(x),...,q_s(x)とおくと、定義より各q_j(x)はあるp_i(x)のGの元による像である。
さらにq_1(x),...,q_s(x)にGの元を作用させると、これは並び替えになる。
よってf(x)=q_1(x)...q_s(x)はG不変な係数からなる、すなわちKの多項式である。
また、構成よりf(x)は重根をもたずp(x)で割り切れるのでf(α)=0。
よって示された。

164 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:10:34
ただ一つの代数的要素αを付加して得られた拡大体を単純拡大体とよび、
このときαを原始要素という。

定理24.
Kの有限次拡大体Eが単純拡大体であるための必要十分条件は
中間体が有限個しか存在しないことである。

165 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:11:26
証明
[単純拡大体⇒中間体有限個]
E=K(α)を単純拡大体とし、αを根に持ち最高次係数が1になる既約多項式をp(x)とする。
Bを中間体とし、p_1(x)をαのB内の既約多項式で最高次係数1のものとすると、
p_1(x)はp(x)の約数になるのでその取り方は有限個しかない。
Kにp_1(x)のすべての係数を付加した体をB_0としたときB_0=Bになることを示せば
p_1(x)の取り方の有限性からBの有限性がいえる。
明らかにB_0⊂Bなので(E/B)≧(E/B_0)を示せばよい。
ところがE=B_0(α)=B(α)なので(E/B_0)≦deg p_1(x)=(E/B)である。

[中間体有限個⇒単純拡大体]
K⊂Eを有限次拡大とし、中間体が有限個しかないものとする。
1.Kが無限個の元を含む場合
Eの元α,βをとり、Kの元cに対してγ_c=α+cβによる単純拡大体をK_c=K(γ_c)とする。
すべてのcに対しK_cは中間体だが中間体は有限個しかないのであるc≠dでK_c=K_dとなる。
するとγ_c-γ_d=(c-d)β∈K_cでありβ∈K_c、よってα∈K_cもいえるので
K(α,β)⊂K_cがいえ、Eの2つの元をKに付加することは1つの元を付加することですむ。
EがKの有限次拡大体であることから、実は単純拡大体であることが分かる。
2.Kが有限体の場合
有限次拡大体Eも有限体である。
この場合の証明は次節で扱う。

166 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:12:15

EがK上有限次分離拡大体のとき、Eは単純拡大体である。

証明
定理22(>>160)より有限次拡大体は有限個の中間体しか含まない。

167 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:13:15
ここで体の基本的な性質に触れる。
そのためはじめに2つの体の例を挙げる。
1つは有理数全体のなす体Q。
もう1つは素数pに対し、整数のpを法とした剰余類のなす体Q_p。
(普通はZ_pと書くだろうし訳者のつけた問題ではZ_pになってるが、
アルティンの本文ではQ_pなのでとりあえず従う。)

[体の標数]
Kを任意の体としてその加法群を考える。
乗法群でベキa^nにあたるのが加法群ではnaである。
元aの加法位数はna=0となる最小正整数nとして定義され、任意の0でない元に対して等しい。
実際na=0ならばnb=(na)(a^{-1}b)=0であるから。
また有限な位数pが存在したときpは素数である。
なぜならp=rsならばrsa=0、sa≠0ならば元saの位数はpより小さくなってしまう。
このような場合Kは標数pの体であるという。
また、有限位数を持たない場合は標数0の体であるということにする。
この定義で一般に次が言える:
『nを整数としa∈Kとすると、na=0であるための必要十分条件はa=0またはnが標数の倍数』

168 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:13:58
[標数pの体とQ_p]
Kの単位元をeで表し数字の1と区別する。
Kを標数p>0の体とする。
簡単な計算からeの倍数全体はQ_pと同型な体を成すことが分かる。
そこで以降は元neを単にnで表し、整数nはmod pで解釈する。
この意味でQ_pはKの最小の部分体であるといえる。

引き続きKを標数p>0の体とする。
1≦i≦p-1なるiに対して二項係数pCi=p!/[i!(p-i)!]の分母はpで割り切れず
分子がpで割り切れるので、全体としてpで割り切れる整数になる。
よってKの要素a,bに対して(a+b)^p=a^p+b^p、また(a-b)^p=a^p-b^pであり、
a^p=b^pならばa=bである。
さらに(ab)^p=(a^p)(b^p)であるから、各要素のpベキをとる写像は同型写像である。
とくにKが有限体ならば全射であることも分かり、よって自己同型写像が得られる。

[標数0の体とQ]
Kを標数0の体とすると、単位元eの倍数neはすべて異なる元である。
またm≠0のとき商ne/meを考えることもでき、これらすべては部分体をなす。
これを有理数n/mと対応させるとQはKの最小の部分体であることが分かる。

169 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:14:41
[導関数]
体Kの多項式f=f(x)=a_0+a_1x+...+a_nx^nにたいし、
f'=a_1+2a_2x+...+na_nx^{n-1}と定義する。
すると2つの多項式f,gに対して次のことが容易に示される:
  (f+g)'=f'+g'
  (fg)'=fg'+f'g
  (f^n)'=nf^{n-1}f'

定理25.
K内の多項式fが重根をもつための必要十分条件は、その分解体Eでfとf'が共通根をもつこと。
これはまた、fとf'がKで1次以上の共通因数をもつことと同値。

証明
fが重複度kの重根αをもつときf(x)=(x-α)^kQ(α), Q(α)≠0とかくことができ、
f'(x)=(x-α)^{k-1}[(x-α)Q'(x)+kQ(x)]であることから分かる。

170 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/28(金) 18:18:47
系1.
K内の既約多項式f(x)が重根をもたないための必要十分条件はf'(x)が零多項式でないこと。

系2.
標数0の体の任意の多項式は分離的である。

注意
Kが標数p>0のときはx^pのように導関数が0となる多項式が存在する。

以上で9節の本文は終わり、p.61まで。
問題はまたあとで。
標数の説明って、もっと前に書いといて欲しかった。
有限体をまじめに考えてなかったので分離的っていう言葉がどうもピンとこなかったよ・・・
ちなみに定理23は有限次の仮定を外しても成り立つ、ということを問題9-2にあります。

171 :132人目の素数さん:2006/07/28(金) 18:36:22


172 :132人目の素数さん:2006/07/28(金) 21:41:18
ネットで数理物理の論文を1日一本読み漁る夏休みの宿題

173 :132人目の素数さん:2006/07/28(金) 22:18:12
何だこのスレ

174 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:34:20
ここはおれのチラシの裏。
アルティンのガロア理論入門を読んでます。
p.61最下部演習問題から。

問題9-1
導関数の定義から次を示せ。
(1) (f+g)'=f'+g'
(2) (fg)'=fg'+f'g

やればできるので解答略。

175 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:35:06
問題9-2
定理23で有限次の仮定をとっても結果の成り立つことを示せ。


E_2の元αはE_1の多項式x^n+c_1x^{n-1}+...+c_{n-1}x+c_nで定義される。
E_1が分離的であることからK(c_1,...,c_n)はKの有限次分離拡大体であり、
さらにその有限次拡大K(c_1,...,c_n)(α)は定理23より分離的拡大。
よってαはKで分離的。

問題9-3
(1) a,nが互いに素な整数のときax+ny=1を満たす整数x,yが存在することを示せ。
(2) a,bを整数とする。
aが素数pで割り切れないならばax≡b (mod p)となる整数xが存在し、
pを法として一意的に定まることを示せ。


(1)は略。
(2) (1)よりaz+py=1なる整数y,zが存在するので、azb+pyb=bでx=zbとすればよい。
一意性はax≡ax'≡b (mod p)ならばa(x-x')≡b (mod p)。
aはpで割り切れないからx-x'≡0 (mod p)。

176 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:35:47
問題9-4
nを自然数とする。
標数p(>0)の体Kにおいてσ_n:a→a^{p^n}はKの自己同型であることを示せ。


p^nCiもpで割り切れるので>>168と同じ議論で示せる。

177 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:36:37
問題9-5
Kは無限この要素を持つ体とする。
(1) α,βがK上分離的のときK(α,β)を含むKの正規拡大体Eが存在することを示せ。
(2) (K(α,β)/K)=nとすると、K(α,β)のE内への相異なる同型写像σ_1,...,σ_n
が存在する。
このときg(t)=Π_{i>j}[(σ_iβ-σ_jβ)t+σ_iα-σ_jα]とすると
g(c)≠0なるKの要素cが存在することを示せ。
(3) γ=α+cβとおくとσ_1(γ),...,σ_n(γ)が相異なることを示し、
それを用いてK(γ)=K(α,β)である理由を述べよ。


(1) 定理22による。
(2) 存在する、までは定理14。
σ_iはKの要素を不変にすることから、σ_iβ=σ_jβかつσ_iα=σ_jαならば
σ_i≡σ_jになってしまい矛盾。
よって各(σ_iβ-σ_jβ)t+σ_iα-σ_jαは多項式として0ではない。
するとg(t)は0でない多項式の積なので有限個の零点しかもたず、g(c)≠0なるcが存在。
(3) g(c)=Π_{i>j}[σ_i(cβ+α)-σ_j(cβ+α)]=Π_{i>j}[σ_i(γ)-σ_j(γ)]≠0。
よってσ_1(γ),...,σ_n(γ)はすべて異なる。
即ちσ_1,...,σ_nはK(γ)からEへの相異なる同型写像で定理13より(K(γ)/K)≧n。
ところがK(α,β)⊃K(γ)だからK(α,β)=K(γ)。

178 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:37:34
問題9-6
α,βが次のように与えられたときQ(α,β)=Q(γ)となるγを1つ書き、
実際に等号が成り立つことを示せ。
また(Q(α,β)/Q)を求めよ。
(1) α=√-3, β=√2
(2) α=[3]√2, β=√2
(3) αはx^3-x+1=0の1根、βはx^2-2x+2=0の1根


問題9-5の証明より、αとβのほぼすべての線形和は求めるγになるはずである。
単純にγ=α+βととってみる。
(1) γ=√-3+√2とおくと(γ-√2)^2=γ^2-2√2γ+2=-3、
よって√2=(γ^2+5)/2γ∈Q(γ)であり、√-3=γ-√2∈Q(γ)ゆえ、Q(α,β)=Q(γ)。
また√-3はQ(√2)の元でないので(Q(α,β)/Q)=4。
(2) 同様にγ=[3]√2+√2とおくと(γ-√2)^3=γ^3-3√2γ^2+6γ-2√2=2、
よって√2=(γ^3+6γ-2)/(3γ^2+2)∈Q(γ)、[3]√2=γ-√2∈Q(γ)ゆえ、
Q(α,β)=Q(γ)、[3]√2はQ(√2)の元でないので(Q(α,β)/Q)=6。
(3) α^3-α+1=0,β^2-2β+2=0であり、γ=α+βとおけばα=γ-βなので
最初の式に代入してβ^2=2β-2で字数を下げれば
β=(γ^3-7γ+5)/(3γ^2-6γ+1)∈Q(γ)、α=γ-β∈Q(γ)。
また(Q(α,β)/Q)=6。

179 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/07/31(月) 18:40:14
あと2問残ってるけど今日はおしまい。
先週時間があったのに思ったほど進まなかったのが痛い。
来週から2週間夏休みとる前に第2章終わらせたかったけどこの調子じゃ無理か。

180 :132人目の素数さん:2006/08/01(火) 06:45:52
いいよいいよー


181 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:18:41
こんちは。
問題続けます。

問題9-7
γ=[3]√2+ωとおくとQ([3]√2,ω)=Q(γ)を示し、その中間体をすべてあげよ。
ただしω=e^{2πi/3}とする。


前半はωはx^2+x+1=0の解であることを使い前問と同様の方法でも示すことができるが、
後半で中間体を求めることから自己同型写像を使って示す。
写像σを、σ([3]√2)=[3]√2ω, σ(ω)=ωとなるように、
写像τをτ([3]√2)=[3]√2, τ(ω)=ω^2となるようにとると、(Q([3]√2,ω)/)=6より
G={1,σ,σ^2,τ,τσ,τσ^2}はQ([3]√2,ω)の自己同型写像群を定める。
Gの各元に対してγの像はすべて異なるので6≦(Q(γ)/Q)≦(Q([3]√2,ω)/Q)=6。
よってQ(γ)=Q([3]√2,ω)。
自己同型群の部分群と対応する中間体は、
{1}とQ(γ)、{1,σ,σ^2}とQ(ω)、{1,τ}とQ([3]√2)、{1,τσ}とQ([3]√2ω)、
{1,τσ^2}とQ([3]√2ω^2)、GとQ。

182 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:19:19
問題9-8
γ=[4]√2+iとおくときQ([4]√2,i)=Q(γ)を示し、中間体をすべてあげよ。


前半は9-7と同様。
σ([4]√2)=i[4]√2,σ(i)=iなるσと、τ([4]√2)=[4]√2,τ(i)=-iなるτをとれば
自己同型群G={1,σ,σ^2,σ^3,τ,τσ,τσ^2,τσ^3}がとれる。
U_1={1,σ^2}とQ([4]√2,i)、U_2={1,τ}とQ([4]√2)、U_3={1,στ}とQ((1-i)[4]√2)、
U_4={1,στ^2}とQ(i[4]√2)、U_5={1,στ^3}とQ((1+i)[4]√2)、
V_1={1,σ,σ^2,σ^3}とQ(i)、V_2={1,σ^2,τ,τσ^2}とQ(√2)、
V_3={1,σ^2,τσ,τσ^3}Q(i√2)。
解答にはさらに包含関係の対応を表したダイアグラムもあるけど省略。

183 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:21:13
以上で9節終わり。
続けてp.62下部、10節に入る。

10.アーベル群とその応用

定理24の証明で有限体の場合が残っていた(>>165)が、それを示すために
アーベル群の基本性質を論じる。

定理26.
体の乗法群の任意の有限部分群Sは巡回群である。

184 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:22:10
定理の証明のために2つの補題を示す。

補題1.
1つのアーベル群において、AとBを位数がそれぞれaとbの元とし
cをaとbの最小公倍数とすると、位数cの元が存在する。

証明
(a) a,bが互いに素のときC=ABが位数abをもつ。
実際、C^r=1とおくと1=C^{rb}=A^{rb}B^{rb}=A^{rb}からrbはaで割り切れる。
a,bが互いに素だからrはaで割り切れる。
同様にrがbで割り切れることもいえ、C^{ab}=1であることからCの位数はab。
(b) dがaの約数のとき位数dの元が存在する。
実際A^{a/d}がこれを満たす。
(c) 一般の場合について考える。
aまたはbに現れる素因数をp_1,...,p_rとすると、
  a=p_1^{n_1}...p_r^{n_r}
  b=p_1^{m_1}...p_r^{m_r}
とかける。
t_i=max{n_i,m_i}と定め、c=p_1^{t_1}...p_r^{t_r}とおくとこれが最小公倍数を与える。
(b)より位数p_i^{n_i}の元とp_i^{m_i}の元が存在するので、
位数p_i^{t_i}の元C_iも存在し、その積C=C_1...C_rは(a)より位数cを持つ。

185 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:24:11
補題2.
1つのアーベル群において、最大位数cをもつ元Cが存在するならば(有限群なら常に存在)
cは任意の元Aの位数aで割り切れる。
よって任意の元はx^c=1を満たす。

証明
cがaで割り切れないならば、補題1よりaとcの最小公倍数>cを位数に持つ元が存在し矛盾。

186 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:25:08
定理26の証明
Sのある元が最大位数rをもつとき、補題2より任意の元xはx^r-1=0の根になる。
|S|=nとおくと根の数からn≦r。
他方元の位数はnの約数なのでr≦n、よってr=n。
位数nの元εをとるとS={1,ε,ε^2,...,ε^{n-1}}である。

187 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:25:47
定理26は有限生成アーベル群の基底定理から導くこともできる。
基底定理はのちに必要になるのでここで証明を与える。

Gをアーベル群とし演算を加法で書き表す。
g_1,...,g_kがGを生成するとは、任意のg∈Gがg=n_1g_1+...+n_kg_kと書けることをいう。
g_1,...,g_kがGを生成し、k-1個の元では生成されないときこれを極小な生成系とよぶ。
有限群は極小な生成系を持つ。
さらにg_1,...,g_kがGの生成系ならばg_1+mg_2,g_2,...,g_kも生成系である。
またm_1g_1+...+m_kg_k=0のような等式を生成系の間の関係といい、
m_1,...,m_kをこの関係の係数という。
アーベル群Gが部分群G_1,...,G_kの直積であるとは、Gの任意の元gがG_iの元x_iを用いて
g=x_1+...+x_kの形に一意的に表されるときのことを言う。

基本定理
有限生成アーベル群は、巡回部分群G_1,...,G_kの直積である。
ここで、i=1,...,k-1に対しG_iの位数はG_{i+1}の位数の約数であり
kは極小生成系の元の個数であるものとする。
ただし無限群の位数は0をさす。

188 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:26:38
証明
k=1のとき、すなわち1元生成ならば巡回群であり、定理は自明。
この定理がk-1個の元からなる極小生成系を持つ群に対して成り立つものと仮定し、
k個の元からなる極小生成系を持つアーベル群Gについて考える。

[極小生成系の関係が常に自明になる場合]
g_1,...,g_kを極小生成系とし、各々よって生成される巡回群をG_1,...,G_kとする。
生成系であることから任意の元g∈Gにたいしてg=n_1g_1+...+n_kg_kと書くことができ、
またg=m_1g_1+...+m_kg_kであれば差をとって(n_1-m_1)g_1+...+(n_k-m_k)g_k=0、
関係は常に自明だからn_i=m_iで、書き表し方が一意的であることが分かる。
つまり、GはG_1,...,G_kの直積である。
またn_ig_i=0となるn_iは存在しないので各G_iの位数は0になり、定理は正しい。

189 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:27:23
[ある極小生成系に非自明な関係がある場合]
あらゆる極小生成系のあらゆる非自明関係を考え、最小の正の係数の現れるものを
m_1g_1+...+m_kg_k=0とする。
必要なら添字を書き換えてm_1が最小の正の係数であるとしてよい。
このとき任意の関係n_1g_1+...+n_kg_k=0についてm_1はn_1の約数である。
なぜならそうでないとするとn_1=qm_1+r, 0<r<m_1であり、
(n_1g_1+...+n_kg_k)-q(m_1g_1+...+m_kg_k)=rg_1+...=0
であるので係数r<m_1がm_1の最小性に矛盾するから。
さらにm_1はm_iの約数でもある。
なぜならそうでないときたとえばm_2=qm_1+r, 0<r<m_1と書くことができ、
生成系g_1+qg_2, g_2,...,g_kが非自明な関係
m_1(g_1+qg_2)+rg_2+m_3g_3+...+m_kg_k=0をもち最小性に矛盾するから。
よって、m_2=q_2m_1,...,m_k=q_km_1ととることができる。
すると、h_1=g_1+q_2g_2+...+q_kg_kは極小生成系でm_1h_1=0である。
また任意の関係n_1h_1+n_2g_2+...+n_kg_k=0について上と同様の議論をすると
m_1はn_1の約数であることが分かり、ゆえにn_1h_1=0である。

190 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:27:58
いまh_1で生成される部分群をG_1、g_2,...,g_kで生成される群をG'とおき、
GがG_1とG'の直積であることを示す。
実際、Gの任意の元gはg=n_1h_1+n_2g_2+...+n_kg_k=n_1h_1+g', g'∈G'と表されるが、
この元がg=n_1h_1+g'=n_1'h_1+g''と二通りにかけたとき
(n_1-n_1')h_1+(g'-g'')=0である。
すると上の考察より(n_1-n_1')h_1=0よってn_1h_1=n_1'h_1ゆえにg'=g''、
つまりgの分解は一意的である。

さて、帰納法の仮定よりG'はある極小生成系h_2,...,h_kをもつk-1個の巡回群の直積であり、
位数t_2,...,t_kについてt_iはt_{i+1}の約数であるとしていた。
ここでh_1,...,h_kはGを巡回群の直積に分解する極小生成系であり、
関係m_1h_1+t_2h_2=0を考えると上記の考察よりm_1はt_2の約数である。
こうして証明が完了した。

191 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:37:47
[定理24の証明の完成]
Kをq個の元からなる有限体とすると、0以外のKの元全体は位数q-1の乗法群をなす。
よって0でないα∈Kはα^{q-1}=1であり、それゆえ任意のα∈Kについてα^q=αである。
定理26(>>183)によりKの乗法群は巡回群なので、位数q-1の元εに対し
K-{0}={1,ε,ε^2,...,ε^{q-2}}である。

定理24の証明(>>165)で埋めるべきは、有限体の有限次拡大が単純拡大体になること。
有限体Kの有限次拡大体Eはそれ自体有限体なので、上記の考察を適用すると
Eの0でない元はすべてある1つの元αのベキでありE=K(α)がわかる。
よって定理24の証明が完了した。

192 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/01(火) 18:39:34
今日はここまで、p.67の上のほう。
このあとさらに有限体の有限次拡大体が正規拡大体であることを示し、
その自己同型群が巡回群になることを導く予定。

193 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/05(土) 17:25:52
すごく中途半端だけど続きができないまま夏休み突入。
旅に出るので下旬まで書き込めない。
それまでスレが生きてたら続けます。

194 :132人目の素数さん:2006/08/15(火) 01:50:38
まだかにゃー

195 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 09:40:27
あげ

196 :132人目の素数さん:2006/08/22(火) 10:00:28
おそいっ!

197 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 10:03:43
ごめん。
しばらく離れてたので復習しなきゃ・・・
夕方頃またきます。

198 :132人目の素数さん:2006/08/22(火) 10:30:01
>>197 ガンバレー! ミンナ オウエン シテルジョー!

199 :132人目の素数さん:2006/08/22(火) 15:21:42
俺もこの本読もうかな。がんばれば追いつけそうだし。

200 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 17:28:50
>>199
ぜひ。
むしろ追い越して先導してくれると嬉しいかなと。

201 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 17:34:55
さて、何をやっていたかというと、アルティンのガロア理論入門を読んでいる。
和訳の方を使っていてdoverとの異同は>>93参照。
で、第2章の10.アーベル群とその応用まできて、アーベル群の基本性質と基底定理を勉強したのち残してあった定理24の穴を埋めましたと。
これでp.67の8行目まで。
今日は続きで有限体の有限次拡大とその自己同型群のはなし。

202 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 17:36:02
[有限体の有限次拡大は正規拡大]
(E/K)=nとし、ω_1,...,ω_nをK上のベクトル空間としての生成系とすると、
Eの任意の元θはθ=c_1ω_1+...+c_nω_n, c_i∈Kと表される。
よって|E|=q^nであることが分かり、Eのq^n個の元はすべて
方程式x^{q^n}-x=0を満たすが、方程式の次数より根の個数は高々q^n個なので
x^{q^n}-x=Π_{α∈E}(x-α)と分解される。
すなわちEは多項式x^{q^n}-xの分解体であり、K上正規拡大体である。
定理10の系(>>111)より分解体は互いに同型、
すなわちKのn次拡大体はKの元を不変にする同型写像によって互いにうつりあう。

203 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 17:42:12
[有限体の任意次数の拡大体の存在]
有限体Kの標数をp>0とすると、>>168の考察よりKはQ_pを含む。
Q_p上のKの次数をrとすると、上と同じ議論からq=|K|=p^r。
>>168にある通り各元のp乗をとる写像は自己同型写像を与える。
p乗の繰り返しは自己同型の合成で自己同型になるので、
一般に任意の自然数sに対してα→α^{p^s}はKの自己同型写像である。(>>176)
特にKの任意の元α,βに対して次が成り立つ。
(α±β)^{p^s}=α^{p^s}±β^{p^s}, (αβ)^{p^s}=α^{p^s}β^{p^s}

204 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 17:55:40
命題
q=p^r個の元を持つ任意の有限体Kは、任意のn≧1に対してn次の拡大体Eを持つ。

証明
EをK内の多項式f(x)=x^{q^n}-xの分解体としてとる。
このとき(E/K)=nであることを示せばよい。
それは上で見た通りEの元がちょうどq^n個であることをいえばよい。
αをこの多項式の根とするとf'(α)=(q^n)α^{q^n-1}-1=-1だから
定理25(>>169)よりfは重根をもたないことがわかり、
よってq^n個の異なる根を持つ。
またその中の任意の2根α,βに対し、
(α±β)^{p^s}=α^{p^s}±β^{p^s}=α±β
(αβ)^{p^s}=α^{p^s}β^{p^s}=αβ
(α/β)^{p^s}=α^{p^s}/β^{p^s}=α/β (β≠0)
より根の集合はそれ自身がq^n個の元を持つ体である。
分解体の最小性からこれはEに一致し、|E|=q^nであることが分かる。
(証明終)

205 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 18:01:00
基礎体をK=Q_p、次数をrとしてこの結果を適用すると、
与えられたq=p^rに対してqこの元を持つ体の存在がいえ、
上で示した拡大体の一意性より元の個数が等しい有限体は互いに同型である。

Kをq個の元を持つ体としEをn次拡大体とすると、>>191で確かめたように
Eはただ1つの元αを付加して得られる(即ち単純拡大体である)。
このαを根に持つKの既約多項式はn次であるから、上の命題とあわせて
Kには任意に与えられた次数の既約多項式が存在することがいえる。

206 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 18:12:03
[自己同型群の決定]
q個の元を持つ有限体Kのn次の拡大体Eは正規拡大体である。
これにたいする自己同型群(Kを不変にする自己同型写像の群)Gを決定する。
すでに見たようにσ(α)=α^qはEの自己同型を与え、
またKの任意の元αはα^q=αなのでσで不変に保たれる。
σのGにおける位数を決めるためにσ^s=1とする。
このときすべてのα∈Eに対してα^{q^s}=αが成立するが、
x^(q^s)-x=0がq^n個の根を持つならばs≧nであり、また
任意のα∈Eに対してα^{q^n}=αだからσの位数はnであることが分かる。
よって1,σ,σ^2,...,σ^{n-1}はn個の異なる自己同型であり、
n次の拡大体はそれより多い個数の自己同型を持ち得ないので、
Gはσで生成される位数nの巡回群であることが分かった。

207 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/22(火) 18:13:18
本日ここまで。
以上で10節の本文終わり、あとは演習問題。
さぼってたので頭が鈍っていて疲れた。

208 :132人目の素数さん:2006/08/23(水) 04:48:53
おつかれー

209 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:08:28
引き続き問題を。

問題10-1
補題2(>>185)は非可換群では成り立たない。
例を挙げよ。


非可換有限群の典型例は対称群で、実際にこれが例を与える。
例えば3次対称群の元の最大位数は3だが、位数2の元も存在する。

210 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:09:09
問題10-2
アーベル群Gの演算を乗法記号で表す。
(1) g_1,...,g_kがGを生成することの定義を述べよ。
(2) GがG_1,...,G_kの直積であることの定義を述べよ。
(3) アーベル群の基底定理(>>187)を用いて定理26(>>183)を証明せよ。


(1) Gの任意の元gが整数n_1,...,n_kに対し
g=g_1^{n_1}...g_k^{n^k}と表されること。
(2) Gがh_i∈G_iについて(h_1,...,h_k)と表される元からなること。
(3) 体の乗法群の有限部分群Sにアーベル群の基底定理を適用すると、
Sは巡回部分群G_1,...,G_kの直積で、G_iの位数n_iが
G_{i+1}の位数n_{i+1}の約数となるように表される。
k≧2,n_2=mn_1とし、G_1,G_2の生成元をそれぞれg_1,g_2とすると、
1,g_1,g_1^2,...,g_1^{n_1-1},
g_2^{m},g_2^{2m},...,g_2^{(n_1-1)m}
はもとの体の元としてみると多項式x^{n_1}-1=0の根である。
しかしこのn_1次多項式は高々n_1個の根しか持たないので矛盾。
よってk=1、すなわちSは巡回群である。

211 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:09:47
問題10-3
有限生成アーベル群Gの単位元を除くすべての元の位数が無限のとき、
Gは無限巡回群G_1,...,G_kの直積であり、よってあるg_i∈G_iに対して
任意のg∈Gは整数x_1,...,x_kに対してg=g_1^{x_1}...g_k^{x_k}
と一意的に表されることを示せ。
さらにこのような元g_1,...,g_kの個数kは一定であることを示せ。
(このような群Gを階数kの自由アーベル群とよぶ。)


前半はアーベル群の基底定理(>>187)から分かる。
いまGの任意の元が別の元h_1,...,h_l (l>k)によって
h_1^{y_1}...h_l^{y_l}と一意的に表されるとして矛盾を導く。
各h_iはGの元なのでh_i=g_1^{a_{1i}}g_2^{a_{2i}}...g_k^{a_{ki}}
と表すことができる。
連立方程式
a_{11}y_1+a_{12}y_2+...+a_{1l}y_l=0
......
a_{k1}y_1+a_{k2}y_2+...+a_{kl}y_l=0
を考えると、k<lよりこれは非自明な整数解(y_1,...,y_l)を持つ。
するとh_1^{y_1}...h_l^{y_l}=h_1^0...h_l^0=1と、
1の表し方が複数あることになり矛盾。

212 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:10:20
問題10-4
アーベル群Gはg_1,...,g_kによって生成される巡回部分群G_1,...,G_k
の直積であるとする。
(1) g_1,...,g_l (l≦k)の生成する部分群をUとする。
商群G/Uはg_{l+1}U,g_{l+2}U,...,g_kUによって生成される
巡回部分群の直積であることを示せ。
(2) g_1,...,g_kのうちg_1,...,g_lの位数が有限でg_{l+1},...,g_kの
位数が無限のとき、Gの位数有限の元全体Uはg_1,...,g_lの生成する
部分群U'であることを示せ。
(3) (2)のときG/Uは階数k-lの自由アーベル群であることを示せ。


(1) g_ig_jU=g_iUg_jUであることから明らか。
(2) アーベル群なのでg^m=1, h^n=1ならば(gh)^{mn}=1、
よってUが部分群になることが分かる。
Uの元をg=x_1x_2...x_k, x_i∈G_iと表す。
いまx_{l+1}≠1ならば任意のnについて
g^n=x_1^n...x_{l+1}^n...x_k^n≠1になってしまうので
x_{l+1}=1でなくてはならない。
同様にx_{l+2}=...=x_k=1、すなわちU⊂U'。
またU'⊂Uは明らかなのでU=U'。
(3) (1),(2)よりG/Uはg_{l+1}U,g_{l+2}U,...,g_kUで生成されるので
階数k-lの自由アーベル群になる。

213 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:11:01
問題10-5
rを正の整数とする。
標数pの有限体Kにおいて、Kの任意の要素aにたいして
x^{p^r}=aなるKの要素xが一意的に定まることを示せ。
次にこのxをa^{p^{-r}}と表すと、
τ:a→a^{p^{-r}}はKの自己同型写像であることを示せ。


>>176でみたようにx→x^{p^r}は自己同型写像。
よってその逆写像も自己同型写像として定まる。

214 :58 ◆yyc6nUQEv. :2006/08/24(木) 18:13:35
問題は10-9まであるけど今日はここで挫折。

215 :132人目の素数さん:2006/08/26(土) 01:31:59
おー、もどってきたのかー


216 :132人目の素数さん:2006/08/30(水) 17:36:31
126

217 :132人目の素数さん:2006/10/02(月) 23:22:00


218 :中川泰秀 ◆tyvkWCNtzY :2006/10/03(火) 18:17:44
>>1
数学の論集を1日に2ページも読めるかよ !!
早くても ( 1日に ) 1ページだ。

219 :132人目の素数さん:2006/11/13(月) 00:31:22
775

220 :132人目の素数さん:2006/11/16(木) 18:06:32
>>218
高校レベルの数学が1日1ページしか進まないのなら重症。

221 :132人目の素数さん:2006/11/16(木) 20:10:02
age

222 :king 氏ね:2006/12/20(水) 20:57:47
>>1 4ページは読めるだろ

223 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/12/20(水) 22:33:13
talk:>>222 何考えてんだよ?

224 :132人目の素数さん:2006/12/28(木) 10:35:56
今日からテラカンの「数学概論」を読もうかな。

225 :132人目の素数さん:2007/02/05(月) 17:05:57
363

226 :132人目の素数さん:2007/02/13(火) 13:03:50
代数系入門を読み直そうと思う

227 :132人目の素数さん:2007/02/16(金) 02:54:50
誰かまたやってくれないかな?


101 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)